過敏性腸症候群で「異常なし」と言われた激痛に、体からのSOSを一緒に聴きましょう
こんにちは。浜崎鍼灸整骨院、院長の浜崎です。
先日、30代の女性患者さんから電話がかかってきました。受話器の向こうから聞こえてくる声は震えていて、「すみません…今、お時間ありますか?もう限界で…」と、必死に言葉を絞り出しておられるんです。お話を伺うと、その日の朝も通勤電車の中で激しい腹痛に襲われ、冷や汗が止まらず途中下車したとのこと。「このままでは仕事にも行けない。でも、どこに相談すればいいのか分からなくて…」と、声を詰まらせながら話されました。
来院された彼女は、顔色も悪く、お腹を抱えるようにして座られました。聞けば、3年前から過敏性腸症候群と診断され、病院を3つも回ったそうです。「カメラも血液検査も全部異常なしって言われて。でもこんなに痛いんです。夜中に知恵袋を見ては『救急車呼んだ人いますか?』って検索して…もう私、おかしくなりそうで」
その言葉を聞いて、私は思わず「それはあなたがおかしいんじゃない。体が一生懸命、SOSを出してくれているだけなんですよ」とお伝えしました。すると彼女は、ハッとした表情で「そうか…敵じゃなかったんですね、この痛み」とポツリ。
お腹がねじ切れるような痛み、本当につらいですよね。過敏性腸症候群の激痛に関する知恵袋での相談を拝見していると、夜中や通勤中に冷や汗を流しながら救急車を呼ぼうか迷っている方や、即効性のある治し方を求めて必死に検索を繰り返している方の切実な思いが痛いほど伝わってきます。
病院で検査を受けても「異常なし」と言われてしまい、周りからは「ストレスのせいだよ」と片付けられる。そんな孤独な状況で、自分の体に何が起きているのか分からず不安に押しつぶされそうになっていませんか?
実は、その激痛には脳と腸の情報のやり取り、そして自律神経の乱れが深く関わっています。あの患者さんも、施術を重ねるうちに「そういえば、今週は一度も知恵袋で検索しなかったな」と笑って仰るようになりました。それは痛みが消えただけでなく、「痛くなっても自分でコントロールできる」という自信を取り戻した証拠なんです。
この記事では、私が日々多くの患者さんと向き合う中で確信している原因の正体と、少しでも早くその苦しみから解放されるための具体的な道筋についてお話ししますね。
この記事でわかること
- 救急車を呼ぶべき緊急性の高いレッドフラッグの見分け方
- 検査で「異常なし」でも激痛が走る脳腸相関のバグと内臓知覚過敏
- お腹の不調とセットで現れる起立性調節障害や自律神経の関係性
- 激痛を即座に鎮めるためのツボ押しや食事療法、鍼灸の有効性
過敏性腸症候群の激痛が起きる原因と知恵袋で多い悩み

インターネット上の掲示板や知恵袋には、医学書には載っていないような「生の苦しみ」が溢れています。まずは、あなたの痛みが決して「気のせい」ではないことを、専門的な視点から解き明かしていきましょう。
冷や汗が出る腹痛で救急車を呼ぶべきかの判断基準

「このまま意識を失うんじゃないか」と思うほどの激痛に襲われると、パニックになって救急車を呼ぶべきかどうかで迷いますよね。知恵袋でもこの問いは非常に多いです。
過敏性腸症候群(IBS)の痛みは、死に至る病気ではないとされていますが、患者さんが感じる主観的な痛みは結石や虫垂炎に匹敵することもあります。まずは、冷静に自分の状態を観察してみてください。
基本的には、排便やガスの排出によって少しずつ痛みが和らぐのであれば、IBSの疼痛発作である可能性が高いです。しかし、冷や汗が止まらず、血の気が引いていくような感覚(迷走神経反射)を伴う場合は、転倒などの二次被害も怖いですから、安全な場所で横になることが先決です。
見逃してはいけない緊急事態のサイン
一方で、IBSと診断されていても、別の急病が重なっているケースには注意が必要です。以下のような症状がある場合は、我慢せずに医療機関へ連絡しましょう。特に「やり過ぎない」我慢は、時として診断を遅らせる原因になります。
直ちに受診が必要なレッドフラッグ
- 意識が遠のく:血圧が急激に下がり、ショック状態に陥っている可能性があります
- 腹部が板のように硬い:触ると跳ね返されるような硬さ(板状硬)がある場合、腹膜炎などの疑いがあります
- 大量の出血がある:鮮血や真っ黒なタール便が出る場合は、消化管出血を疑います
- 痛みが移動、または一箇所に固定される:IBSの痛みは移動しやすいですが、右下腹部などに激痛が固定される場合は虫垂炎などの可能性もあります
もし判断に迷ったら、自治体の救急電話相談(#7119)などを利用するのも賢明な判断です。まずは、その痛みが「命に関わるものかどうか」をハッキリさせることが、心の安定への第一歩になりますよ。命に別状がないと分かるだけでも、脳の興奮は少しずつ鎮まっていくものです。
病院で異常なしと言われる原因とストレスとの関係
「カメラで見ても、血液検査をしても綺麗ですよ」と言われるほど、患者さんにとって絶望的なことはありませんよね。「こんなに痛いのに、嘘だと言われているみたいだ」と感じるのも無理はありません。
しかし、これは病院の先生が手を抜いているわけではなく、過敏性腸症候群という病気の性質そのものに理由があります。この病気は、潰瘍やポリープといった「目に見える傷(器質的疾患)」がないことが診断の前提となっているからです。
「形」の問題ではなく「動き」の問題
過敏性腸症候群は、腸という「器」の問題ではなく、それを動かしている「ソフト(命令系統)」の不具合です。
私たちの腸には、脳と同じくらい複雑な神経ネットワークが存在し、「第二の脳」とも呼ばれています。普段、私たちは無意識に食べ物を消化していますが、これは自律神経が絶妙なバランスで腸を動かしているおかげなんです。
しかし、慢性的なストレスや疲労が溜まると、この自律神経のスイッチが切り替わらなくなり、腸が異常な速さで動いたり、逆にピタッと止まったりするようになります。これが激痛や下痢の正体なんですね。
ストレスと聞くと「メンタルの弱さ」のように受け取る方もいますが、それは違います。真面目で責任感の強い人ほど、無意識のうちに脳が緊張状態を維持してしまい、それがダイレクトに腸の神経を刺激してしまうんです。
つまり、あなたの心ではなく「神経システム」が過剰に反応してしまっているだけ。まずは「自分の体が一生懸命、外からの刺激に耐えようとしてくれているんだな」と、少しだけ自分を許してあげてください。その気づきが、過緊張状態の神経を緩めるきっかけになるかもしれません。
脳腸相関の誤作動が生む内臓知覚過敏のメカニズム
最近、医学界でも注目されているのが「脳腸相関(のうちょうそうかん)」です。脳と腸は、迷走神経という巨大な高速道路でつながっており、常に情報のやり取りをしています。
過敏性腸症候群の激痛を語る上で欠かせないのが、この通信システムにバグが起きてしまった「内臓知覚過敏」という状態です。
痛みを感じる「ボリューム」が最大になっている
健康な人であれば、腸の中に少しガスが溜まったり、便が移動したりしても「あ、動いているな」と感じる程度です。しかし、内臓知覚過敏の状態にある方は、そのわずかな刺激を脳が「とんでもない激痛だ!」と100倍くらいに増幅して受け取ってしまいます。
いわば、脳内の痛みのボリュームつまみが、常に全開になっているような状態です。
なぜそんなことが起きるのでしょうか。一つは、過去のひどい腹痛の経験が脳に「トラウマ」として刻まれてしまい、脳が先回りして「また痛くなるぞ!」と警報を鳴らしてしまうからです。これを予期不安と呼びます。知恵袋で同じ悩みを探してしまうのも、この不安を打ち消したいという脳の防御本能なんですね。
また、セロトニンという神経伝達物質のバランスが崩れることも、この知覚過敏を加速させることがわかっています。
豆知識
過敏性腸症候群の詳しい病態については、厚生労働省が提供する情報でも解説されています。特に、ストレスが腸の動きを左右する仕組みを知ることは、今の自分の状態を客観的に捉える助けになります。
この脳の誤作動を解いていくには、単に痛み止めを飲むだけでなく、脳へ「今は安全だよ」という信号を送り、ボリュームを少しずつ下げていくアプローチが必要です。鍼灸治療が得意とするのは、まさにこの「神経システムの再起動」なんですよ。
朝の体調不良に関わる起立性調節障害との深い繋がり
私がお腹の不調を訴える患者さんを診ていて、非常に多く遭遇するのが「朝の弱さ」です。「朝お腹が痛くてトイレにこもってしまう」「午前中は体がだるくて動けない」という方は、実は起立性調節障害(OD)を併発しているケースが少なくありません。
これは、お腹だけの問題ではなく、血液の循環や自律神経の切り替えが全身レベルでうまくいっていないサインなんです。
血液がお腹に溜まってしまう「内臓血流プール」
朝、私たちが起き上がる時、本来なら自律神経が働いて下半身の血管を締め、脳にしっかり血液を送ります。しかし、自律神経が疲れていると、この締め付けがうまくいかず、血液が重力でお腹の血管に溜まってしまいます。これをお腹の血流プール現象と呼びます。
こうなると、腸の粘膜がうっ血して感度が高まり、ちょっとした動きが激痛に変わってしまうんです。また、脳に血液が行かなくなるので、立ちくらみや倦怠感も同時に襲ってきます。
知恵袋などで「朝だけが地獄」「学校や仕事に行こうとすると痛くなる」という悩みが多いのは、単に「行きたくない」という心理的なものだけでなく、この「起立時の自律神経の不具合」という物理的な原因がセットになっているからです。
大阪のような都市部では、満員電車のプレッシャーや閉鎖空間への恐怖も重なり、さらに交感神経が暴走しやすくなります。
OD併発型IBSのチェックリスト
- 朝、なかなか布団から出られず、起きた後もしばらくボーッとする
- 午前中に激しい腹痛や下痢が集中し、午後になると少し楽になる
- 立ち上がった瞬間に目の前が真っ暗になる、または動悸がする
- 食後、すぐにお腹が張ったり、猛烈な眠気に襲われたりする
もし心当たりがあるなら、それは「お腹」を治そうとするだけでなく、「全身の自律神経の底上げ」が必要だという体からのメッセージです。まずはしっかり水分を摂り、朝に少し塩分を補給するなど、血圧を安定させる工夫から始めてみましょう。
ガス型の張りと吐き気を伴う激しい疝痛への理解
過敏性腸症候群の中でも、特に「ガス型」と呼ばれる症状は、他人には相談しにくい深い悩みですよね。「授業中にお腹が鳴るのが怖い」「後ろの席の人に臭っているのではないか」という不安が、さらにお腹を硬くさせ、ガスを閉じ込めて激痛を引き起こします。
この張りに伴う痛みは疝痛(せんつう)と呼ばれ、腸が引き裂かれるような、あるいは石が入っているような独特の苦しさがあります。
なぜ、あんなにガスが溜まるのか?
実は、腸内で発生するガスそのものが極端に多いわけではなく、その多くは「口から飲み込んだ空気」だと言われています。不安や緊張が続くと、無意識にゴクンと唾液と一緒に空気を飲み込んでしまう「呑気症(どんきしょう)」を併発しやすいのです。
また、腸の動きが悪いとガスがスムーズに排出されず、一箇所に留まって腸壁をグーッと押し広げます。この「押し広げられる刺激」こそが、内臓知覚過敏の状態では激痛として感じられるわけです。
さらに、お腹がパンパンに張ると横隔膜が押し上げられ、胃を圧迫します。これが吐き気や胃の不快感、さらには動悸や息苦しさを引き起こす原因になります。知恵袋で「吐き気とお腹の張りが同時に来て死にそう」という投稿が多いのは、お腹の中の圧力が限界に達しているサインなんです。
この苦しさから逃れるには、物理的にガスを抜く工夫と同時に、脳が感じている「社会的プレッシャー」を少しずつ緩めてあげる必要があります。私はいつも「ガスが出てもいいんだよ、それは生きている証拠だから」と患者さんにお伝えしています。
まずは、自分のお腹を敵だと思わず、少し労わってあげてくださいね。
下痢型と便秘型が交互に現れる混合型の特徴
過敏性腸症候群には、大きく分けて「下痢型」「便秘型」「混合型」の3つのタイプがあります。中でも厄介なのが、この「混合型」です。「昨日までひどい下痢だったのに、今日は全く出ない」という極端な変化が、患者さんをさらに不安にさせます。
先日も、40代の男性患者さんが「もう自分の体が信じられない。今日はどっちなんだ?って朝から不安で」と話されていました。
予測不可能な不安が症状を悪化させる
混合型の最大の問題は、「予測できない」ことです。出かける前に「今日は大丈夫かな」と不安になり、その不安そのものが自律神経を乱して症状を引き起こすという悪循環に陥ります。
下痢と便秘が交互に来るということは、腸の動き(蠕動運動)のスイッチが、アクセルとブレーキを踏み間違えるように暴走している状態です。これも、脳からの指令が混乱していることの表れなんですね。
混合型の方には、まず「完璧なコントロールを目指さない」ことをお勧めしています。体調には波があって当然。その波を少しずつ穏やかにしていく、という長期的な視点が大切です。
過敏性腸症候群の激痛を和らげる即効性のある治し方

痛みのメカニズムが理解できたら、次は「今、この瞬間」と「これから先」をどう楽にするかという実践的なお話に移ります。救急車を呼ぶほどではないけれど、どうしても今すぐこの激痛をどうにかしたい……そんな時に役立つ知恵を詰め込みました。
ツボ押しと物理的対処法で痛みの波をやり過ごす
激痛の渦中にいる時、一番手軽で、かつ神経に直接働きかけられるのがツボ押しです。東洋医学の世界では、手足の特定のポイントを刺激することで、遠隔的にお腹の緊張を緩めたり、脳の興奮を鎮めたりできることが経験的に知られています。
これは単なるおまじないではなく、神経反射を利用した立派な物理療法なんですよ。
| ツボの名前 | 場所の詳細 | ポイントとコツ |
|---|---|---|
| 合谷(ごうこく) | 親指と人差し指の骨が交わる直前のくぼみ | 「万能の鎮痛ツボ」です。やや人差し指側の骨のキワを、痛気持ちいい強さで、お腹の痛みに合わせてグーッと押し込みます |
| 内関(ないかん) | 手首の内側のしわから、指3本分肘側へ。2本の腱の間 | 「精神安定のツボ」であり、吐き気止めとしても有名。深呼吸をしながら、ゆっくり円を描くように揉んでください |
| 足三里(あしさんり) | 膝のお皿のすぐ下にある外側のくぼみから、指4本分下 | 「胃腸の特効薬」です。座った状態で拳でトントンと叩くのも有効。重だるい感覚が出るまで刺激すると効果的です |
痛みの波をやり過ごす「シムス位」と深呼吸
ツボ押しとセットで行ってほしいのが、姿勢の工夫です。もし横になれる環境なら、左側を下にして寝る「シムス位」を試してみてください。右脚を軽く曲げて前に出し、クッションなどを挟むとさらに楽になります。
この姿勢は腸の構造上、ガスが移動しやすく、腹圧が最もかかりにくいとされています。ベルトやスカートのホックは必ず外してくださいね。
そして、最も大切なのが「吐く息」を長くすること。痛みがあるとどうしても息を止めて体に力が入りますが、それでは交感神経がさらに高ぶってしまいます。「ふぅーっ」と細く長く息を吐くことで、強制的に副交感神経のスイッチを入れ、腸の痙攣(けいれん)を鎮めていきましょう。
私自身のラグビー経験でも、激しい痛みや疲労をコントロールする際は、この呼吸法が最も信頼できるツールでした。
市販薬や漢方薬の上手な使い分けと服薬の注意点
「薬を飲んでも効かない」という知恵袋の悩みも多いですが、それは薬のタイプが今の症状に合っていないだけかもしれません。過敏性腸症候群の薬には、大きく分けて「腸の動きを止めるもの」「腸の動きを整えるもの」「痛みの感度を下げるもの」の3種類があります。
これを正しく使い分けることが重要です。
代表的な薬の役割を知っておこう
過敏性腸症候群に使われる主な薬には、それぞれ異なる役割があります。
下痢止め(ロペラミド等)は、強制的に腸の動きを止めます。電車移動などの緊急時には心強いですが、使いすぎると便秘や、その後の跳ね返りの激痛を招くことがあります。
調整薬(トリメブチン/セレキノン等)は、腸の動きが早ければ抑え、遅ければ促すという賢い薬です。即効性よりも、飲み続けることで「波」を小さくするのに向いています。
高分子重合体(ポリフル等)は、腸内の水分を調整して、便の硬さを適正に保ちます。下痢にも便秘にも有効で、副作用が少ないのが特徴です。
また、東洋医学の知恵が詰まった漢方薬も、慢性的な激痛には非常に有効です。例えば、お腹が張って痛む「しぶり腹」には桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)が、お腹が冷えてゴロゴロ鳴るような痛みには大建中湯(だいけんちゅうとう)がよく使われます。
漢方は「お腹を温める」「緊張を解く」といった、西洋薬とは別の角度からアプローチしてくれます。ただし、漢方といえども副作用や相性があります。自己判断で何種類も飲み合わせるような「やり過ぎ」は避け、信頼できる医師や薬剤師さんに相談しながら、自分の「今の状態」に合ったものを選んでいきましょう。
薬は決して「敵」ではなく、あなたが自信を取り戻すまでの「杖」として活用するのがベストですよ。
低FODMAP食による食事管理で再発を予防する

「体に良いものを食べているはずなのに、なぜかお腹が痛くなる」……そんな方は、一度食事の内容を見直してみる価値があります。近年、過敏性腸症候群の新しい食事療法として世界的に注目されているのが「低FODMAP(フォドマップ)食」です。
FODMAPとは、小腸で吸収されにくく、大腸で発酵しやすい特定の糖質の頭文字を取ったものです。
「健康食」が痛みの原因になることも?
驚くべきことに、一般的に「腸に良い」とされる食材が、IBSの方にとっては激痛やガスの原因になることがあります。例えば、納豆、ヨーグルト、玉ねぎ、ごぼう、小麦、リンゴなどは「高FODMAP食」に分類されます。
これらは大腸で過剰に発酵し、大量のガスを発生させたり、水分を引き寄せたりして、敏感な腸を激しく刺激してしまうんです。
もちろん、これらを一生食べてはいけないわけではありません。まずは3週間ほど、高FODMAP食を徹底的に避けてお腹をリセットし、その後一つずつ食材を戻して、自分の腸が何に反応するのかを特定していくのが正しい進め方です。
パンを米粉パンに変える、牛乳をアーモンドミルクに変えるといった、ちょっとした置き換えから始めてみませんか?食事で「お腹が痛くならない」という成功体験を積み重ねることは、脳が感じている不安(知覚過敏)を鎮めるための、何よりの薬になります。
ただし、極端な制限もまたストレスになりますから、「今日は外食だから楽しもう」という余裕も大切にしてくださいね。
ストレス軽減のための呼吸法とリラクゼーション
過敏性腸症候群の治療において、ストレスケアは薬と同じくらい重要です。しかし「ストレスを減らしましょう」と言われても、仕事や家庭の事情は簡単には変えられませんよね。
そこで私がお勧めしているのが、「今、この瞬間」にできる自律神経の切り替えスイッチとしての呼吸法です。
4-7-8呼吸法で副交感神経を優位に
この呼吸法は、たった1分でも効果を実感できる即効性の高い方法です。
- まず、口から完全に息を吐き切る
- 鼻から4秒かけて息を吸う
- 7秒間、息を止める
- 8秒かけて、口からゆっくり息を吐く
これを3〜4回繰り返すだけで、自律神経が副交感神経優位に切り替わり、腸の緊張が緩んでいきます。電車の中でも、トイレの中でも、どこでもできるのがこの方法の良いところです。
また、お風呂にゆっくり浸かる、好きな音楽を聴く、軽いストレッチをするなど、自分なりの「リセット習慣」を持つことも大切です。完璧を目指す必要はありません。「今日は5分だけ自分のために時間を使えた」という小さな積み重ねが、やがて大きな変化につながります。
鍼灸で自律神経を整え痛みを感じにくい体を作る

私が日々行っている鍼灸治療は、お腹の痛みそのものを取るだけでなく、痛みを引き起こしている「自律神経の不全」と「脳の誤作動」を同時に整えていくものです。
「お腹が痛いのに、なぜ手足や背中にハリを打つの?」と不思議に思われるかもしれませんが、実はそれが一番の近道なんです。
全身の「通信網」をメンテナンスする
鍼灸の刺激は、皮膚にある神経を通じて脳に伝わります。すると脳からは「オピオイド」という天然の痛み止め物質が放出され、脊髄で痛みの信号をシャットアウトしてくれます。
さらに、過剰に興奮した交感神経を鎮め、内臓を司る副交感神経(迷走神経)を優位にすることで、腸の異常な痙攣を根本から和らげていきます。これは、薬が届かない「神経の過敏さ」という深い部分に直接アプローチできる、非常に優れた方法なんですね。
当院に来られる患者さんも、最初は「本当に効くの?」と半信半疑ですが、施術を重ねるうちに「そういえば、今週は一度も知恵袋で検索しなかったな」と笑って仰るようになります。それは、痛みが消えただけでなく、「痛くなっても自分でコントロールできる」という自信を取り戻した証拠です。
鍼灸は、あなたの体が本来持っている「治ろうとする力」をそっと後押しする存在です。副作用の心配もほとんどありませんし、薬と併用することで、薬の量を減らしていくことも期待できます。
もし、今の治療で行き詰まりを感じているなら、新しい選択肢としてぜひ検討してみてください。
生活習慣の見直しで症状の悪化を防ぐポイント
最後に、日常生活の中で少し意識するだけで症状が楽になるポイントをお伝えします。これらは地味に見えますが、長期的には最も効果の高い取り組みです。
規則正しい生活リズムを作る
自律神経は「予測可能なパターン」を好みます。毎日できるだけ同じ時間に起き、同じ時間に食事をし、同じ時間に寝る。このリズムが整うだけで、腸の動きも安定してきます。
特に大切なのが朝の過ごし方です。起きたらまずコップ一杯の常温の水を飲む、朝日を浴びる、軽いストレッチをする。この3つの習慣が、一日の自律神経のスイッチを正しく入れてくれます。
適度な運動で腸の動きをサポート
激しい運動は逆効果ですが、ウォーキングや軽いヨガなど、呼吸を意識しながらできる運動は腸にとって良い刺激になります。1日20分程度で十分です。
私がラグビーをしていた頃、試合前の緊張でお腹が痛くなることがよくありました。でもチームメイトと一緒に軽く体を動かすと、不思議と痛みが和らいだんです。体を動かすことは、脳に「今は戦うときじゃない、大丈夫だよ」というメッセージを送る効果があるんですね。
安心して毎日を過ごすために|過敏性腸症候群の激痛との向き合い方
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。今、激痛に耐えながらこの記事を読んでいるあなたに最後にお伝えしたいのは、「あなたの苦しみには、必ず出口がある」ということです。
知恵袋を検索し、藁をも掴む思いで情報を探しているその姿勢は、あなたが自分の体を決して諦めていない素晴らしい証拠です。その前向きなエネルギーこそが、回復への一番の原動力になります。
過敏性腸症候群の激痛は、確かにあなたの生活を制限し、心に影を落としているかもしれません。でも、脳と腸の情報のやり取りを整え、生活習慣や食事、そして鍼灸のような新しいアプローチを組み合わせることで、体は必ず変わっていきます。
「いつ痛くなるかわからない」という不安が消えれば、行動範囲は広がり、また友人との食事や家族との旅行を心から楽しめるようになります。焦る必要はありません。一歩進んで二歩下がるような日があっても大丈夫です。
私たちは、あなたの「やり過ぎない」一歩を、全力でサポートします。どうか一人で悩まず、専門家にその胸の内を明かしてみてください。あなたの笑顔が戻る日は、そう遠くないはずですよ。
※当院のホームページに掲載している内容は、臨床経験や既存の研究に基づいていますが、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。施術による効果には、一人ひとりの体質や生活習慣によって個人差があります。私たちは、あなたの伴走者として、あなたにとっての最善を一緒に見つけていくことをお約束します。
この記事の監修・執筆者
院名: 浜崎鍼灸整骨院
院長: 浜崎 洋
保有国家資格: 鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師
所在地: 大阪市
プロフィール: 子育ても一段落した、三児の父。24時間テレビ「愛は地球を救う」チャリティーマラソンにメディカルスタッフとして参加するなど、豊富な臨床経験を持つ。新聞・テレビ取材多数。趣味はラグビー、サイクリング、映画鑑賞など多岐にわたる。日々の地域活動にも積極的に参加しており、大規模災害時にはボランティアとして被災地支援に駆けつける一面も。モットーは「やり過ぎない」。
掲載サイト: 浜崎鍼灸整骨院メインサイト
注意事項
この記事で紹介した内容や対処法は、一般的な目安であり、すべてのケースに当てはまるわけではありません。症状が激しい場合や、不安が強い場合は、必ず専門の医療機関を受診してください。最終的な判断は医師や専門家にご相談いただくようお願いいたします。自分だけで解決しようとせず、適切なサポートを受けることが、完治への最短ルートです。


