顔のピクピク、何科に行くべき?|薬や手術以外の選択肢も専門家が解説
こんにちは。大阪市の浜崎鍼灸整骨院、院長の浜崎です。
先日、ある患者さまが、本当に辛そうな顔でこう話してくれたんです。 「最初は、目の周りがピクピクするだけやったから、『そのうち治るやろ』って、一年くらい放っておいたんです。でも、だんだん人前に出るのも恥ずかしくなって、焦って病院を探し始めたんですけど、どこに行けばええか分からへんくて…。やっと見つけた病院では、『なんでこんなになるまで放っておいたんですか!もう治りにくいですよ』って怒られてしまって…」
心底困り果てて、うちに来てくれたその方の顔が、今も忘れられません。 あなたも、同じように一人で悩んでいませんか?
この記事は、そんな出口の見えない不安の中にいる、あなたのために書きました。顔のピクピクは、何科に行くのが正解なのか。そして、もし通院が遅れてしまっても、決して手遅れではないということ。あなたの笑顔を取り戻すために、その全てを詳しく解説します。
この記事でわかること
- 顔のピクピクが「ただの疲れ」か「顔面痙攣」かを見分けるヒント
- まず最初に相談すべき、最も適切な診療科
- 手術やボトックス以外の、体に優しい改善アプローチ
- 症状の根本原因である「自律神経の乱れ」を整える方法
顔面痙攣は何科?原因と症状
もしかして?顔のピクピクは初期症状

顔面痙攣の多くは、目の周り、特に下まぶたがピクピクとけいれんすることから始まります。「疲れているだけかな」と思っているうちに、その範囲が頬や口元へと広がり、自分の意思とは関係なく顔が引きつるようになっていきます。
【ポイント】ただの「目の疲れ」との違い
ストレスや疲れで起こる一時的なまぶたのピクピク(眼瞼ミオキミア)との大きな違いは、「症状が頬や口元まで広がるか」「数週間~数ヶ月以上、断続的に続くか」です。もし頬や口元にも症状が出始めたら、それは顔面痙攣のサインかもしれません。
顔面痙攣とストレスの深い関係

「緊張すると、特に症状がひどくなる」と感じませんか?顔面痙攣は、過度な精神的ストレスによって、症状が悪化することが非常によくあります。
ストレスは、体のアクセル役である「交感神経」を過剰に興奮させます。この状態が続くと、筋肉は常に緊張し、神経も過敏になります。その結果、顔面神経の異常な興奮が助長され、けいれんが起こりやすくなってしまうのです。つまり、ストレスは症状の引き金であり、悪化要因でもあるのです。
片側顔面痙攣の原因もストレス?

医学的に、片側顔面痙攣の主な原因は、脳の奥で顔面神経が血管に圧迫されることだと考えられています。しかし、僕が日々の臨床で多くの患者さまを診ていると、それだけでは説明がつかないケースが本当に多いのです。
僕がお付き合いのあるご家庭でも、「ダメ元で相談に行ったら、驚くほど親身になって話を聞いてくれた」というケースがたくさんあります。ネットの情報だけを鵜呑みにせず、ぜひ勇気を出して、一歩踏み出してみてください。
おでこがピクピクする原因を解説

「おでこだけがピクピクする」という場合、その多くは長時間のパソコン作業などによる眼精疲労や、寝不足、ストレスが原因で起こる、一時的な筋肉の疲労(眼瞼ミオキミア)であることがほとんどです。
しかし、そのピクピクが目の周りや頬にまで広がってくるようであれば、注意が必要です。それは、顔面痙攣の初期症状である可能性も考えられます。
おでこの痙攣もストレスが影響

前述の通り、おでこの痙攣も、顔面痙攣と同様にストレスの影響を強く受けます。悩み事があったり、仕事が忙しかったりすると、無意識のうちに眉間にシワを寄せ、おでこの筋肉(前頭筋)を緊張させていませんか?
その持続的な筋肉の緊張が、血行不良を招き、筋肉のけいれんを引き起こすのです。おでこのピクピクは、あなたの体が「少し、肩の力を抜いて」と送っている、大切なサインなのかもしれません。
顔面痙攣は何科へ?治し方と対策
片側顔面痙攣は何科を受診する?

顔のけいれんが続く場合、まず受診すべきは脳神経外科、あるいは神経内科です。
なぜなら、顔面痙攣の診断には、MRIなどの精密検査が不可欠だからです。これらの科では、けいれんの原因が血管による圧迫なのか、あるいは稀に脳腫瘍など他の病気が隠れていないかを正確に突き止めることができます。原因をはっきりさせることが、適切な治療への第一歩です。
(参考:一般社団法人 日本脳神経外科学会)
頬のピクピクの治し方を知りたい

病院では、主に3つの治療法が提案されます。それぞれにメリットとデメリットがありますので、よく理解することが大切です。
治療法 | メリット | デメリット・注意点 |
薬物療法 | 手軽に始められる | 効果は限定的。眠気などの副作用も。 |
ボツリヌス療法 | 外来で短時間にでき、効果も高い | 効果は3〜4ヶ月で切れるため、繰り返し注射が必要。 |
手術療法 | 唯一の根本治療。成功すれば完治が期待できる。 | 入院と全身麻酔が必要。稀に合併症のリスクも。 |
片側顔面痙攣は自然に治るのか

「そのうち治るだろう」と期待される方も多いですが、残念ながら、片側顔面痙攣が自然に治ることは稀です。
なぜなら、その根本原因が「血管による神経の圧迫」という、物理的な問題だからです。放置すると、症状は少しずつ進行し、けいれんの範囲が広がったり、頻度が増えたりすることが一般的です。「もしかして?」と感じたら、早期に専門家へ相談することをお勧めします。
自分で治すためのセルフケアとは

病院での治療と並行して、ご自身でできるセルフケアも、症状を和らげる上で非常に重要です。
【ポイント】心と体の緊張をほぐす3つの習慣
- 十分な睡眠をとる:神経の興奮を鎮め、自律神経のバランスを整えます。
- バランスの良い食事:特に、神経の働きを助けるビタミンB群やマグネシウムを意識しましょう。
- 顔面部のマッサージ:けいれんしている側の顔や首、肩周りを、蒸しタオルなどで温め、優しくマッサージして血行を促進します。
【注意】
ただし、強く揉みすぎると、かえって神経を興奮させてしまうこともあります。あくまで「気持ちいい」と感じる程度の、優しい刺激に留めてください。
(参考:一般社団法人 日本神経学会)
鍼灸で心身の緊張を和らげる

手術や注射には抵抗がある、あるいは、もっと体の中から改善したい。そう考える方にとって、僕たちがお手伝いできることがあります。それが鍼灸治療です。
僕たちは、顔面痙攣を単なる「血管と神経の問題」だけでは捉えません。それは、日々のストレスや疲労によって、あなたの体が発している「自律神経の乱れ」という、必死のSOSサインでもあるのです。
鍼灸治療では、顔だけでなく、首や肩、背中といった、顔面神経と繋がる部分の筋肉の緊張を深部から緩めます。さらに、自律神経のバランスを整えるツボにアプローチすることで、神経の過剰な興奮そのものを鎮めていきます。薬や手術とは違う、あなたの体が本来持っている「治る力」を引き出す、体に優しいアプローチです。
あなたの笑顔を取り戻すために|顔面痙攣で何科に行くべきか最終チェック

- 目の周りや頬のピクピクが続く初期症状は顔面痙攣のサインかも
- 顔面痙攣はストレスや疲労で悪化することが多い
- 片側顔面痙攣の主な原因は血管による神経の圧迫だがストレスも影響する
- おでこがピクピクする原因の多くは眼精疲労やストレス
- 顔面痙攣が疑われる場合、まず相談すべきは何科かというと脳神経外科か神経内科
- 頬のピクピクの治し方には薬、ボトックス注射、そして根本治療の手術がある
- 片側顔面痙攣は物理的な原因があるため自然に治ることは稀
- 自分で治すためのセルフケアとして睡眠、食事、優しいマッサージが有効
- 鍼灸は心身の緊張を和らげ自律神経のバランスを整える手伝いができる
- 症状を放置せず、早期に専門家へ相談することが重症化を防ぐ鍵
- MRI検査で原因を特定することが適切な治療への第一歩
- 自分の症状と向き合い、納得できる治療法を選ぶことが大切
- あなたは一人ではない
- 僕たちのゴールは症状の改善だけでなくあなたの笑顔を取り戻すこと
※当院のホームページに掲載している内容は、臨床経験や既存の研究に基づいていますが、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。施術による効果には、一人ひとりの体質や生活習慣によって個人差があります。私たちは、あなたの「伴走者」として、あなたにとっての最善を一緒に見つけていくことをお約束します。
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この記事の執筆者
- 院名: 浜崎鍼灸整骨院
- 役職: 院長
- 年齢: 57歳
- 所在地: 大阪市
- 保有国家資格: 鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師
- メディア実績等: 24時間テレビ「愛は地球を救う」チャリティーマラソンにメディカルスタッフとして参加。新聞・テレビなど取材多数。国内だけでなく海外からも患者が来院。
- 人物像: 三児の父。趣味はラグビー、ソフトボール、ハイキング、サイクリング、映画・音楽鑑賞、食事会。地域ボランティア活動にも積極的で、災害ボランティアでは全国を駆け巡る。
- モットー: 「やり過ぎない」