なぜ整形外科のリハビリは終わらないのか?30年の臨床で見えた「納得して卒業する」ための処方箋
先日、当院に60代の女性患者さんが来院されました。半年前に転んで手首を骨折し、整形外科で手術を受けてリハビリに通っているとのこと。「先生、もう半年も通ってるんですけど、まだ痛くて…いつまで続けたらいいんでしょう」と、疲れ切った表情で相談されました。
話を聞くと、毎日のように病院に通い、電気を当てて、少し動かしてもらって終わり。でも、良くなっている実感がない。担当の先生からは「もう少し続けましょう」と言われるけれど、具体的にいつまでなのか、何を目指しているのかが分からず、仕事との両立にも限界を感じているとおっしゃるんです。
こんにちは。大阪市淀川区、十三で浜崎鍼灸整骨院を開院している院長の浜崎洋です。この仕事を始めて約30年。三児の父として、ラグビーやサイクリングを楽しむ一人の人間として、日々みなさんの人生に寄り添いながら治療を続けています。
今この記事を読んでくださっているあなたも、この女性と同じような不安を抱えているのではないでしょうか。病院に何ヶ月も通っているのに、思うように痛みが引かない。仕事や家事との両立に疲れてしまったり、今受けているリハビリが本当に自分に合っているのか、不安になったりしているかもしれません。「いつまで通えばいいんだろう」「このまま終わらないのでは」と、出口の見えない迷路にいるような感覚になっていませんか。
私自身、24時間テレビのチャリティーマラソンでメディカルスタッフを務めたり、災害ボランティアで多くの方を診てきた経験から、身体の回復には技術と同じくらい、納得感と戦略が大切だと感じています。この記事では、リハビリが長引いてしまう理由や制度の仕組み、そして一日も早く笑顔で卒業するための具体的な方法について、私の経験を交えてお話ししますね。
この記事でわかること
- リハビリが長期化する身体的なメカニズムと、日本の医療制度が抱える150日の壁の正体
- 交通事故のリハビリで保険会社から打ち切りを打診された際の、医学的・法的に正しい向き合い方
- 漫然とした通院を卒業するために必要な、具体的で客観的な評価指標とセルフケアのコツ
- 整形外科の機能訓練と鍼灸による全身調整を組み合わせることで、回復スピードを最大化させる方法
整形外科でのリハビリが終わらない背景と制度の壁
リハビリを頑張っているのにゴールが見えない時、多くの方は「自分の努力が足りないのかも」と自分を責めたり、逆に医療機関への不信感を募らせたりしてしまいます。
でも、そうではないんです。
リハビリが終わらないと感じるのには、個人の頑張りだけでは説明できない、身体の生理的な仕組みと、日本の公的医療保険制度という2つの大きな要因が複雑に絡み合っているんですね。まずは、この背景を一緒に整理してみましょう。
リハビリ期間の150日ルールと保険適用の仕組み

リハビリに通っている方でも意外とご存知ないのが、日本の健康保険制度ではリハビリを受けられる期間に明確な上限があるという点です。
2006年の診療報酬改定以降、疾患の種類によって標準的な算定日数が厳格に定められました。整形外科で扱う骨折、変形性関節症、腰痛、五十肩といった多くの症状は運動器リハビリテーションに分類され、その期限は発症や手術の日から数えて150日と決まっています。
約5ヶ月というこの期間は、日常生活を取り戻すには十分に見えるかもしれません。でも、重度の骨折や広範囲の腱断裂、深刻な関節拘縮を抱える方にとっては、回復の途上で「はい、期限です」と突然終わりを告げられるような、あまりにも冷酷な数字に聞こえることもあるでしょう。
主なリハビリテーション料の区分と期間
| リハビリテーション料の区分 | 標準的算定日数(上限) | 主な対象疾患の例 |
|---|---|---|
| 運動器リハビリテーション | 150日 | 骨折、変形性関節症、腰痛、五十肩、腱断裂など |
| 脳血管疾患等リハビリテーション | 180日 | 脳梗塞、脳出血、脊髄損傷、パーキンソン病など |
| 廃用症候群リハビリテーション | 120日 | 手術後の安静等による著しい筋力低下など |
この150日を超えると、治療が完全に不可能になるわけではありませんが、受けられるリハビリの頻度が月13単位、つまり1単位20分ですから、月に約260分までと非常に厳しく制限されてしまいます。週に1回強しかリハビリを受けられないとなれば、これまでのような集中的な機能改善は現実的に難しくなります。
現場の医師も「あとは維持していきましょう」といった方針に切り替えざるを得ないのが現状です。まだ治っていないと感じていても、制度上の壁が立ちはだかることで、焦りや不安が募り、それが精神的なストレスとなってさらに痛みを敏感にさせてしまうという悪循環も少なくないんですね。
まずは、この150日という壁を意識した上で、いかに効率よくその期間内に回復の土台を作るか、あるいは期限後にどう動くかという戦略を立てることが、リハビリを終わらせるための重要な鍵となります。
治療の効果を実感できない時に見直すべき習慣
リハビリに通っている時間は、1週間のうちのほんのわずかですよね。残りの167時間をどう過ごしているか。実はここに、リハビリを早期卒業できるかどうかの鍵が隠されているんです。
患者さんの中には、リハビリ以外の時間は「痛いから動かさないようにしよう」と、極端に安静にしてしまう方がいらっしゃいます。お気持ちはよく分かります。でも、これが逆効果になることもあるんです。
動かさないことで筋肉は萎縮し、関節を包む袋は硬く縮んでしまいます。これを私たちは関節拘縮と呼びますが、この固まった組織をリハビリで再び動かす際に痛みが生じ、「また痛くなった」「治っていない」と不安になるという悪循環に陥ってしまうんですね。
生活の中にリハビリの視点を取り入れる

私が大切にしているのは「日常生活そのものをリハビリに変える」という考え方です。
特別なトレーニング時間を設けるのは大変ですが、例えば椅子から立ち上がる時に手を使わず足の力だけで立つ、テレビのCM中に肩甲骨を回す、といった小さな積み重ねが、硬くなった組織に柔軟性を取り戻させます。
また、食事や睡眠の質も決して馬鹿にできません。筋肉や組織を修復するための栄養が不足していたり、睡眠不足で成長ホルモンの分泌が滞っていると、どんなに優れたリハビリを受けても体は修復されにくいんです。
今のあなたの生活習慣、一度「体を治すモード」に切り替えてみませんか。詳しいセルフケアについては、当院の公式ブログでも定期的に発信していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
補足
リハビリの効果を最大化するためには、自宅での自主トレを正しく行うことが不可欠です。回数や強度については、必ず担当の理学療法士さんや医師に確認した上で行いましょう。
交通事故のリハビリ打ち切りと言われた時の対応

整形外科のリハビリが終わらないという悩みの中でも、特に深刻なのが交通事故のケースです。
受傷から3ヶ月から半年ほど経つと、保険会社から「そろそろ治療を終了にしませんか」という打診が来ることがよくあります。まだ痛みがあるのに、一方的に期限を決められるのは納得いかないですよね。
でも、ここで慌てないでください。
医学的に症状固定を決める権利があるのは、保険会社ではなく、あくまで主治医の判断です。もし医師が「まだリハビリを継続することで改善が見込める」と判断しているなら、その旨をしっかりと伝え、相談することが重要です。
弁護士費用特約などを使って法律のプロに交渉を任せるのも、精神的な負担を減らすための賢い戦略ですよ。正確な法的知識については、必ず専門の弁護士にご相談くださいね。
注意
保険会社が治療費の支払いを止めたとしても、それは治療をしてはいけないという意味ではありません。健康保険に切り替えて通院を続け、最終的な示談でその費用を請求できる可能性もあります。
意味ないと感じる漫然とした通院を卒業する基準
とりあえず毎日電気を当てて、少し揉んでもらって終わり。そんな通院がルーティンになっていませんか。
もし通院が単なる安心感を得るための作業になってしまっているなら、一度その意味を問い直す時期かもしれません。
リハビリの本来の目的は、日常生活の質を向上させることです。痛みという信号だけを見るのではなく、あなたの人生がどれだけ前進したかを基準に考えてみましょう。
私が考える卒業の基準は、自分で自分の身体を管理できるようになったかどうかです。具体的には、痛みの原因を理解し、自分でストレッチなどで対処できること。そして再発予防の知識が身についていること。これらが揃っていれば、漫然と通い続ける必要はありません。(参照:公益社団法人 日本理学療法士協会「理学療法(リハビリ)とは」)
当院では独自のカウンセリングを通じて、患者さん一人ひとりに合わせた卒業の形を提案しています。
代償動作が引き起こす新たな痛みと長期化の正体

膝を痛めてリハビリを始めたのに、いつの間にか腰まで痛くなってきた。そんな経験はないでしょうか。
これこそが、リハビリが終わらないと感じさせる犯人である「代償動作」の仕業なんです。
人間はどこか一箇所が痛むと、無意識にそこを庇って別の場所を使おうとします。この庇いの動作が長期間続くと、脳はその不自然な動きを正しい動きだと勘違いして定着させてしまいます。
その結果、本来の怪我が治りかけてきても、今度は過剰な負担がかかった別の場所に新たな痛みが発生し、いつまで経ってもリハビリから抜け出せないという感覚に陥るんですね。
大切なのは、身体を全体として捉え、崩れた連動性を再構築すること。部分的なアプローチに限界を感じているなら、一度全身のバランスをチェックしてみることをお勧めします。
整形外科のリハビリが終わらない不安を打破する戦略
リハビリが停滞している現状と制度の壁を理解した上で、次に考えるべきは具体的にどう動いてこの状況を打破するかです。
30年の臨床経験の中で、多くの患者さんが劇的に改善した「攻めの戦略」をお伝えしますね。病院任せではなく、あなた自身がリハビリの主導権を握ることが、最短ルートを切り拓く唯一の道なんです。
回復が停滞するプラトー現象を乗り越える考え方

リハビリを続けていると、ある日突然、何をやっても改善が足踏み状態になってしまうことがあります。これを「プラトー(高原現象)」と呼びます。
この時期は患者さんにとって最も辛く、精神的にリハビリを終わらないものだと諦めてしまいがちな危険な期間です。
でも、実はこのプラトー期こそ、身体の内部で劇的な変化が起きている重要なステップなんです。筋肉が強くなるプロセスや、神経が新しい動きを学習するプロセスにおいて、一定期間の適応時間が必ず必要になります。
焦って無理をすれば、私のモットーである「やり過ぎない」に反してしまい、逆に関節を傷めるリスクもあります。今は変化を待つ時期だと割り切って、ゆったりとした心持ちで向き合うことが、結果的に停滞期を短くするコツですよ。
ポイント
プラトーは治っていない証拠ではなく、次のステージに進む準備が整いつつあるサインです。ここを抜けた後の改善スピードは、以前よりも速くなることが多いですよ。
早期卒業に向けた自主トレを無理なく続けるコツ
自主トレーニングが継続できているかどうかは、卒業までの期間を左右する決定的な要因です。でも、忙しい毎日の中で時間を確保するのは難しいもの。
私がおすすめするコツは、既存の習慣にセットメニューとして組み込んでしまうことです。例えば、歯を磨いている間はふくらはぎのストレッチをする、テレビのCMが始まったらスクワットを3回だけやる、といった具合です。
新しい時間を作るのではなく、今ある習慣に便乗させるわけですね。頑張りすぎて疲れてしまうのは逆効果。物足りないくらいで止めておくのが、長く続ける、つまり早く治すための秘訣です。
当院の施術方針でも、この継続のしやすさを最優先に考えたアドバイスを行っています。
転院を検討するタイミングと施設選びのポイント
数ヶ月通っても納得のいく説明がなかったり、毎回同じメニューの繰り返しで改善の兆しが見えなかったりする場合は、転院を検討するのも一つの正解です。
転院は決して悪いことではありません。自分に合わない場所で時間を浪費することこそ、最大の遠回りになってしまいますから。
施設を選ぶ際は、今の自分の状態を専門用語を使わずに分かりやすく説明してくれるか、具体的なロードマップを提示してくれるかを重視してください。
私たち浜崎鍼灸整骨院でも、他の医療機関からの転院や併用の相談を頻繁に受けています。まずはアクセスページをご確認いただき、一度お話を聞かせてください。新しい一歩を一緒に踏み出しましょう。
整形外科と鍼灸の併用がもたらす相乗効果とは

整形外科のリハビリが得意とするのは、筋肉を鍛えたり関節を動かしたりする「ハード面の修理」です。対して鍼灸が得意とするのは、血流を促し、過敏になった神経を鎮め、身体の治癒力を引き出す「ソフト面の調整」です。
この二つを併用することは、リフォームの際に建材を新しくするのと同時に、電気系統を整えるようなものです。どれだけ良い建材を使っても、電気が通っていなければ快適には暮らせませんよね。
身体も同じで、神経や血流というインフラが整って初めて、リハビリの刺激が最大限に活かされるんです。リハビリの痛みが強くて動かせない方にこそ、鍼灸は非常に有効です。土壌を整えれば、あなたの頑張りはもっと報われるはずですよ。
先月、当院に50代の男性患者さんが来られました。交通事故で首を痛め、整形外科で4ヶ月間リハビリを続けていましたが、頸部の痛みと腕のしびれが一向に改善せず、「もう打ち切りと言われそうで…」と不安そうに相談されました。
整形外科での週3回のリハビリは継続しながら、当院で週1回の鍼灸治療を併用することにしたんです。鍼灸では首から肩にかけての過緊張した筋肉を緩め、神経の圧迫を和らげることに集中しました。
すると、2週間後には「腕のしびれが軽くなってきた」と実感され、1ヶ月後には整形外科の理学療法士さんからも「可動域が広がりましたね」と驚かれたそうです。
この方の場合、整形外科のリハビリで筋力と可動域を取り戻しながら、鍼灸で血流と神経の働きを整えたことで、それぞれ単独では得られなかった相乗効果が生まれたんですね。結果的に、保険会社からの打ち切りを延長してもらい、納得のいく状態で卒業されました。
やり過ぎない治療でリハビリにいつまで通うか決める
私の治療における信条は「やり過ぎない」ことです。これはゴール設定においても重要です。
完璧主義になりすぎて、ほんの少しの違和感に過剰に反応してしまうと、いつまでも「病人」としての意識から抜け出せなくなってしまいます。
本当のゴールは、何か不調があっても自分で自分の状態を判断し、対処できるようになること。つまり、あなたが自分自身の名医になることです。
通院を辞めるタイミングは、あなた自身が「もう自分で管理できる」という自信を持てた時です。
あなたが当院を笑顔で卒業し、以前のように趣味を楽しめる生活に戻っていく。その日を一日でも早く迎えるために、私たちは核心を突くサポートを惜しみません。卒業は、新しい健康生活のスタート地点なんですよ。
整形外科のリハビリが終わらない悩みから脱却しよう
整形外科のリハビリが終わらないという悩みは、制度や心理が絡み合った複雑なものです。でも、出口を見つけるためには、自分の身体を自分事として捉え、能動的に動くことが何よりも大切です。
150日のルールを理解し、生活習慣を見直し、時には鍼灸の併用という新しい選択肢を検討する。その一つひとつの決断が、あなたを確実に卒業へと近づけてくれます。
もし一人で戦略を立てるのが難しいと感じたら、いつでも大阪・十三の浜崎鍼灸整骨院を頼ってください。あなたが自信を持って「リハビリ、卒業しました!」と言えるその日まで、私は人生の伴走者として共に歩み続けます。
さあ、今日できる小さな一歩から始めてみましょう。あなたの明るい未来は、もうすぐそこまで来ていますよ。
まとめ
- 制度の150日の壁を知り、逆算して計画を立てる
- リハビリ以外の167時間の過ごし方を見直す
- 代償動作による二次的な痛みを、全身調整で防ぐ
- 整形外科の「動かす」と鍼灸の「整える」を賢く併用する
※当院のホームページに掲載している内容は、臨床経験や既存の研究に基づいていますが、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。施術による効果には、一人ひとりの体質や生活習慣によって個人差があります。私たちは、あなたの伴走者として、あなたにとっての最善を一緒に見つけていくことをお約束します。
浜崎鍼灸整骨院 院長 浜崎洋について

保有国家資格
鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師
所在地
大阪市淀川区(十三エリア)
臨床経験
約30年、3,000症例以上
メディア実績
24時間テレビ「愛は地球を救う」チャリティーマラソン メディカルスタッフ参加
新聞・テレビなど取材多数
国内外からの患者来院実績
人物像
57歳、三児の父
趣味:ラグビー、サイクリング、ソフトボール
地域活動:災害ボランティア、地域コミュニティ活動に積極的に参加
治療哲学
患者さんの人生に寄り添う「伴走者」として、「やり過ぎない」治療を信条とする


