こんにちは。大阪市の浜崎鍼灸整骨院、院長の浜崎です。
「先生、うちの子、中学はほとんど行けてへんかったけど、やっぱりみんなと同じように、全日制の高校に行きたいって言うんです…」「欠席日数が多いと、やっぱり無理なんでしょうか…」
最近、受験を控えた中学生のお子様を持つ親御さんから、このような切実な相談が特に増えています。
病院では「体調が安定してから考えましょう」と言われたり、学校の先生からは「通信制の方が安心ですよ」と勧められたりして、本人の「行きたい」という気持ちと、現実との間で、親子で途方に暮れてしまっている。そんなご家庭が本当に多いのです。
この記事は、そんな出口の見えない不安の中にいる、君と、そして君を支えるご家族の「伴走者」として、諦めないための道筋を示すために書きました。
この記事でわかること
- 起立性調節障害でも全日制高校を諦めなくていい理由
- 欠席日数が多くても受験を乗り越えるための高校選びのコツ
- 入学後に無理なく卒業を目指すための具体的な方法
- 通信制高校という選択肢が「逃げ」ではない本当の理由
「起立性調節障害でも全日制高校に行きたい」その想いを叶える高校選び
まず知っておきたい高校選びの現実

「起立性調節障害だと、全日制高校は無理なのかな…」多くの中学生や親御さんが、そう不安に感じています。確かに、毎日朝から通う全日制高校は、体調の波が大きいお子様にとって、ハードルが高いのは事実です。
高校は、中学までとは違い、「出席日数」と「単位」が卒業に直結します。体調が安定しなければ、いくら学力があっても、進級や卒業が難しくなってしまう。これが、まず知っておかなければならない高校選びの現実です。
(参考:日本小児心身医学会)
【注意】学校によって対応は全く違う
しかし、ここで諦める必要は全くありません。大切なのは、「学校によって、起立性調節障害への理解や対応は、驚くほど違う」という事実です。「特別な配慮はできません」と門前払いされてしまう学校もあれば、「大丈夫ですよ、うちにも同じような子がいます」と温かく迎えてくれる学校も、ちゃんと存在するのです。
高校受験における出席日数の影響

「中学の欠席日数が多いから、内申点が足りなくて受験できないんじゃ…」これは、親御さんが抱える最も大きな不安の一つです。
公立高校の場合、確かに内申点が合否に大きく影響します。しかし、私立高校に目を向けると、状況は大きく変わります。
【ポイント】内申点より「当日点」や「面接」を重視する私立高校
近年、特に大阪府内の私立高校では、中学時代の欠席日数や内申点をそれほど重視せず、入試当日の学力試験の点数や、事前の面接で本人の意欲を評価する学校が増えています。不登校を経験した生徒向けのコースを設けている学校さえあります。
「欠席が多いから」という理由だけで、選択肢を狭めてしまうのは、非常にもったいないのです。
私立高校という選択肢のメリット

起立性調節障害のお子様にとって、私立高校には公立高校にはない、多くのメリットが存在します。
メリット | 具体的な内容 |
柔軟な入試制度 | 前述の通り、内申点よりも当日の実力や本人の意欲を評価してくれる傾向が強い。 |
手厚いサポート体制 | スクールカウンセラーが常駐していたり、保健室登校や別室での学習に柔軟に対応してくれたりする学校が多い。 |
多様なコース設定 | 少人数クラスや、個々のペースに合わせた学習プランを用意している学校もあり、お子様の特性に合った環境を選びやすい。 |
もちろん学費の問題はありますが、お子様が安心して3年間を過ごせる環境を、お金には代えがたい価値と考えることもできます。
大阪で受け入れ実績のある高校は

「では、具体的に大阪のどの高校が受け入れてくれるの?」というご質問を、僕も日々の臨床で本当によく受けます。
特定の学校名をここで挙げることはできませんが、大切なのは「足で情報を稼ぐ」ことです。多くの私立高校が、夏から秋にかけて合同説明会や個別相談会を実施しています。そうした場に足を運び、直接質問することが、何よりも確実な情報収集になります。
僕がお付き合いのあるご家庭でも、「ダメ元で相談に行ったら、驚くほど親身になって話を聞いてくれた」というケースがたくさんあります。ネットの情報だけを鵜呑みにせず、ぜひ勇気を出して、一歩踏み出してみてください。
「起立性調節障害に理解のある高校を探したい方へ。通学頻度や支援体制など、条件に合わせて検索できる便利な一覧サイトがあります。進路選びの参考に、ぜひご活用ください。」 ▶︎ 起立性調節障害の学校一覧
学校の対応を個別相談で確認

個別相談会は、学校の「本気度」を見極める絶好の機会です。ただ「大丈夫ですよ」と言うだけでなく、具体的なサポート体制について、しっかりと確認しましょう。
【ポイント】個別相談で確認すべき質問リスト
- 中学時代の欠席日数が多い場合、入試で不利になりますか?
- 入学後、体調不良による遅刻や早退が続いた場合、単位の補填(補講やレポートなど)は可能ですか?
- 保健室登校や、別室での自習は認められていますか?
- 過去に、起立性調節障害の生徒さんが卒業された実績はありますか?
これらの質問に対して、担当の先生がどのような表情で、どれだけ具体的に答えてくれるか。その対応こそが、その学校がお子様にとって「安全基地」となり得るかを見極める、最も重要な判断材料になります。
「起立性調節障害でも全日制高校行きたい」を叶えるために
学校で期待できる配慮とサポート

起立性調節障害に理解のある学校では、以下のような配慮やサポートが期待できます。
- 時間差登校の許可:朝の体調が悪い日は、2時間目や3時間目からの登校を認めてくれる。
- 保健室や別室の利用:授業中に体調が悪くなった際に、無理せず休める場所を提供してくれる。
- エレベーターの使用許可:階段の上り下りが負担になる場合、エレベーターの使用を認めてくれる。
- レポート等での単位補填:欠席した授業の内容を、レポート提出などで補う機会を与えてくれる。
これらのサポートは、学校に「お願い」するものではなく、お子様が学業を続けるために必要な「権利」として、学校側と「相談」し、一緒に環境を作っていくという姿勢が大切です。
(参考:文部科学省「不登校児童生徒への支援について」)
全日制高校を卒業するために大切なこと

学校側のサポートはもちろん重要ですが、それと同じくらい、ご家庭でできることも大切です。
それは、「完璧を目指さない」ということです。体調には必ず波があります。「今日は休んだけど、午後から少し勉強できた」「今週は1日だけ登校できた」といった、「できたこと」に目を向け、親子で喜びを分かち合うこと。この小さな成功体験の積み重ねが、お子様の自信を取り戻し、長い高校生活を乗り越えるための、何よりの力になります。
体調管理を支える鍼灸という選択肢

では、専門家として、お子様の体が「治るきっかけ」を掴むために、何ができるのか。そこで、僕たちがお勧めするのが鍼灸治療という選択肢です。
鍼灸は、近年の研究で「心拍変動(HRV)」などの指標を通じて、副交感神経の活性化や自律神経の安定化に寄与する可能性が示されています。薬物療法とは異なり、身体の自然な回復力を促すアプローチとして注目されています。特に、首や背部の筋緊張を緩和することで、交感神経の過活動を抑え、副交感神経優位の状態へ移行しやすくなることが、臨床研究でも報告されています。
もちろん、効果には個人差があり、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。ですが、鍼灸は「得気(とっき)」と呼ばれる特有の感覚を伴うことで、自律神経系に有意な変化をもたらす可能性があるとされており、体調管理の一環として有効な選択肢となり得ます。
通信制高校は「逃げ」ではない

それでも、どうしても全日制高校への通学が困難な場合もあります。その時、「通信制高校」という選択肢は、決して「逃げ」や「負け」ではありません。
【豆知識】自分に合った学び方を選ぶ、前向きな選択
今の時代、通信制高校は驚くほど多様化しています。毎日通学するコース、週1日から選べるコース、オンライン中心のコース。文化祭や修学旅行がある学校も珍しくありません。全日制にこだわって心身をすり減らしてしまうよりも、自分に合った環境で体調を整えながら、次のステップ(大学進学など)を目指す。それは、自分の人生と向き合った、非常に賢明で、前向きな選択なのです。
諦めない君へ|「全日制高校に行きたい」その想いを叶えるための最終チェック

- 「起立性調節障害だから全日制は無理」と諦める必要はない
- 高校は中学と違い「出席日数」と「単位」が卒業に直結する現実を知る
- 公立高校は内申点が重視されるが私立高校は当日点や面接重視の学校も多い
- 大阪府内にも起立性調節障害に理解や受け入れ実績のある高校は存在する
- 高校選びの鍵は個別相談会で具体的な対応を直接確認すること
- 入学後は学校側と連携し時間差登校などの配慮やサポートを相談する
- 卒業のために最も大切なのは親子で「完璧を目指さない」こと
- 体調の波を受け入れ「できたこと」を認めてあげることが自信に繋がる
- 鍼灸治療は自律神経のバランスを整え体調管理を支える有効な選択肢
- 通信制高校は「逃げ」ではなく自分に合った学び方を選ぶ前向きな選択
- 大切なのは「どの高校に行くか」よりも「どう高校生活を送るか」
- 「全日制に行きたい」という君のその想いを、まずは一番大切にしてほしい
- 焦らず、比べず、無理せず、自分だけの道を探そう
- どんな道を選んでも、君の未来にはちゃんと可能性がある
- あなたは、決して一人ではない
※当院のホームページに掲載している内容は、臨床経験や既存の研究に基づいていますが、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。施術による効果には、一人ひとりの体質や生活習慣によって個人差があります。私たちは、あなたの「伴走者」として、あなたにとっての最善を一緒に見つけていくことをお約束します。
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この記事の執筆者
- 院名: 浜崎鍼灸整骨院
- 役職: 院長
- 年齢: 57歳
- 所在地: 大阪市
- 保有国家資格: 鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師
- メディア実績等: 24時間テレビ「愛は地球を救う」チャリティーマラソンにメディカルスタッフとして参加。新聞・テレビなど取材多数。国内だけでなく海外からも患者が来院。
- 人物像: 三児の父。趣味はラグビー、ソフトボール、ハイキング、サイクリング、映画・音楽鑑賞、食事会。地域ボランティア活動にも積極的で、災害ボランティアでは全国を駆け巡る。
- モットー: 「やり過ぎない」