こんにちは。大阪市の浜崎鍼灸整骨院、院長の浜崎です。
「先生、寝不足が続くと、決まって頭が重くなるんです」「薬を飲んでも、その場しのぎで…」
最近、働き盛りの方を中心に、このような寝不足による頭痛の切実な相談が特に増えています。
患者さまが訴える具体的な悩みは、「ひどい時は、ズキズキして吐き気までする」「頭痛で寝れず、さらに寝不足になる悪循環に陥っている」といった、先の見えない不安を伴うものがほとんどです。
病院で治療を受けてもなかなか改善せず、大切な仕事やプライベートの時間まで、頭痛のせいで台無しになってしまう。きっと他にも同じように、もどかしい思いを抱えながら一人で苦しんでいる方がいるはずだ。
その方たちの「伴走者」として、薬に頼らない、根本改善への道筋を示したい。その一心で、この記事を書きました。
この記事でわかること
- なぜ寝不足になると頭痛が起きるのか、その科学的な仕組み
- あなたの頭痛が「片頭痛」か「緊張型頭痛」かを見分けるヒント
- 薬だけに頼らず、今すぐ自分でできる具体的な対処法
- 鍼灸は緊張型頭痛に有効、片頭痛にもケアとして活用される。

こんなお悩みはありませんか?
- 寝不足の翌日は、決まって頭が重く、ズキズキと痛む
- 目の奥やこめかみが締め付けられるように痛い
- 頭痛だけでなく、肩こりやめまい、吐き気も伴う
- 痛みで夜も眠れず、さらに寝不足になってしまう
- 市販の痛み止めを飲む回数が増えて、効果を感じにくくなってきた
- このまま一生、頭痛と付き合っていくのかと不安になる
- 薬以外の方法で、根本的にこの頭痛を改善したい

寝不足で頭が痛いのはなぜ?その原因に迫る
まず知りたい、どんな痛み?
寝不足で起こる頭痛は、主に2つのタイプに分けられます。ご自身の痛みがどちらに近いか、確認してみてください。
緊張型頭痛 | 片頭痛(偏頭痛) | |
痛みの特徴 | ハチマキで締め付けられるような、重苦しい圧迫感 | 脈に合わせてズキンズキンと響くような、拍動性の痛み |
痛む場所 | 頭全体、後頭部、首筋 | 頭の片側(時には両側)、こめかみ |
伴う症状 | 肩こり、めまい、体のだるさ | 吐き気、光や音への過敏さ |
対処法のヒント | 温めると楽になることが多い | 冷やすと楽になることが多い |
寝不足で痛いのはなぜか、その仕組み

では、なぜ睡眠が足りないと、これらの頭痛が起きてしまうのでしょうか。その背景には、主に3つの体の変化が関係しています。
1. 血管の拡張と収縮
寝不足は自律神経のバランスを乱します。これにより、脳の血管が必要以上に拡張したり、収縮を繰り返したりします。拡張した血管が周囲の神経(特に三叉神経)を刺激することで、ズキンズキンとした片頭痛が引き起こされると考えられています。
2. 筋肉の過緊張
睡眠は、日中に緊張した筋肉をリラックスさせるための大切な時間です。しかし寝不足が続くと、首や肩、頭部の筋肉の緊張が十分に解消されません。この筋肉の緊張が血管を圧迫して血行不良を招き、重苦しい緊張型頭痛の原因となります。
3. 脳の酸欠・栄養不足
睡眠中、私たちの脳には多くの血液が流れ込み、酸素や栄養が供給され、老廃物が洗い流されます。睡眠不足が続くと、脳の代謝活動や血流が低下し、神経の過敏性が高まることで、痛みを感じやすくなると考えられています。
目の奥までズキズキ痛む正体

「目の奥がえぐられるように痛い」という症状は、特に片頭痛、あるいは群発頭痛の際に見られることがあります。これは、目の奥を通っている三叉神経という太い神経が、拡張した血管によって強く刺激されるために起こると考えられています。
また、ドライアイや長時間のデスクワークなどで目を酷使した結果、目の周りの筋肉が緊張し、血行不良を起こしていることも、目の奥の痛みを助長する大きな原因となります。寝不足による疲労回復の遅れが、この症状をさらに悪化させてしまうのです。
こめかみが痛むメカニズムとは

こめかみがズキンズキンと痛むのは、片頭痛の典型的な症状の一つです。こめかみの部分には、皮膚のすぐ下を浅側頭動脈という比較的太い血管が通っています。
寝不足などによって脳の血管が拡張する際に、この浅側頭動脈も拡張し、周囲の神経を刺激することで、脈打つような強い痛みが生じます。痛む部分を指で軽く押さえてみると、ドクドクと脈打っているのを感じられることもあります。
頭痛で寝れない夜を繰り返さないために

「頭が痛くて眠れない」→「眠れないから、さらに頭が痛くなる」…この辛い悪循環に陥っている方は、決して少なくありません。
【注意】悪循環を断ち切る意識
この悪循環を断ち切るために最も重要なのは、「痛みを抑えること」と「眠れる体を作ること」を、同時に進めるという意識です。痛み止めだけに頼っていると、根本的な原因である睡眠不足は解消されません。逆に、ただ眠ろうとしても、痛みが邪魔をしてしまいます。両面からのアプローチが、この悪循環から抜け出すための鍵となるのです。
今日からできる対策
今すぐ試したい治し方

頭痛が起きてしまった時、まずはご自身の痛みのタイプに合わせて対処することが大切です。
【ポイント】
片頭痛(ズキズキ系)の場合:
血管が拡張して痛みが起きているため、冷やすのが効果的です。保冷剤や冷却シートをタオルで包み、こめかみや首の後ろなど、痛む部分に当ててみましょう。また、光や音の刺激が悪化の原因になるため、できるだけ暗く静かな部屋で安静にすることが望ましいです。
緊張型頭痛(重苦しい系)の場合:
筋肉の緊張と血行不良が原因なので、温めるのが効果的です。蒸しタオルやホットパックで首や肩の周りを温めたり、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かったりして、全身の血行を促進しましょう。
頭が重い頭痛をスッキリ解消するには

頭全体が重く、圧迫されるような不快感は、主に緊張型頭痛の特徴です。この症状を解消するには、硬くなった首や肩周りの筋肉を優しくほぐすことが有効です。
無理のない範囲で、ゆっくりと首を回したり、肩を上げ下げしたりする軽いストレッチを取り入れてみましょう。特に、デスクワークの合間に意識して行うことで、筋肉が固まってしまうのを防ぎ、頭痛の予防につながります。
私も、パソコン作業が続いた時は、意識的に立ち上がって背伸びをしたり、窓の外の遠くの景色を見たりしていますよ。ほんの少しの気分転換が、意外と効果的なんです。
コーヒーは飲んでいい?

これは非常に多くいただく質問です。コーヒーに含まれるカフェインには、血管を収縮させる作用があります。
【豆知識】痛みのタイプによって判断が変わる
そのため、血管が拡張して起こる片頭痛の場合、痛みの出始めにコーヒーを飲むと、症状が和らぐことがあります。しかし、飲み過ぎは禁物です。
一方で、カフェインには覚醒作用があるため、寝不足の根本的な解決にはなりません。また、カフェインが切れた時に、かえって血管が拡張して頭痛を誘発する(カフェイン離脱頭痛)可能性もあります。あくまで応急処置の一つとして、頼りすぎないことが大切です。
ロキソニンは有効か

ロキソプロフェンナトリウム水和物(商品名:ロキソニンSなど)は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類される鎮痛薬です。痛みの原因物質であるプロスタグランジンの生成を抑えることで、高い鎮痛効果を発揮します。
そのため、寝不足による頭痛に対しても、一時的に痛みを抑える上では有効です。しかし、これもあくまで対症療法です。頻繁に使用すると、胃腸障害などの副作用のリスクや、薬に頼りすぎてしまうことでかえって頭痛を悪化させる「薬物乱用頭痛」を引き起こす可能性もあります。(参照:一般社団法人 日本頭痛学会)
【注意】
月に10日以上、市販の鎮痛薬を服用している場合は、専門医への相談をおすすめします。
自分で押せる頭痛に効くツボ
薬に頼る前に、ご自身で試せるセルフケアとして、ツボ押しは非常に有効です。優しく、気持ちいいと感じる程度の強さで押してみてください。
合谷(ごうこく)

手の甲の、親指と人差し指の骨が交わる付け根の、少し人差し指寄りにあるくぼみです。頭痛や肩こり、目の疲れなど、首から上の症状に幅広く使われる万能のツボです。
天柱(てんちゅう)

首の後ろ、髪の生え際にある2本の太い筋肉の外側のくぼみです。後頭部や首筋の重苦しい痛み(緊張型頭痛)に特に効果的です。
寝不足で頭が痛いのはなぜか、その答え
- 寝不足による頭痛は主に「緊張型頭痛」と「片頭痛」の2種類
- 原因は血管の拡張や筋肉の緊張、自律神経の乱れが複雑に絡み合っている
- ズキズキする片頭痛は冷やし、重苦しい緊張型頭痛は温めるのが対処の基本
- 目の奥やこめかみの痛みは血管の拡張と神経の刺激によって起こる
- 頭痛で眠れない悪循環を断ち切るには痛みと睡眠の両面からのアプローチが必要
- 頭が重い頭痛は首や肩の軽いストレッチで解消できることがある
- コーヒーは片頭痛の出始めには有効な場合があるが頼りすぎは禁物
- ロキソニンなどの鎮痛薬は一時的には有効だが根本解決にはならない
- 薬の使い過ぎは「薬物乱用頭痛」のリスクがあるため注意が必要
- 合谷や天柱といったツボ押しは手軽で効果的なセルフケアになる
- 規則正しい生活とストレス管理が最大の予防策
- 寝不足による頭痛は体のSOSサインであり無視してはいけない
- 症状が改善しない場合は専門家への相談が重要
- 鍼灸治療は筋肉の緊張緩和と自律神経の調整で根本原因にアプローチできる
- 私たちのゴールは痛みの解消だけでなく頭痛に悩まされない毎日を取り戻すこと
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この記事の執筆者
- 院名: 浜崎鍼灸整骨院
- 役職: 院長
- 年齢: 57歳
- 所在地: 大阪市
- 保有国家資格: 鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師
- メディア実績等: 24時間テレビ「愛は地球を救う」チャリティーマラソンにメディカルスタッフとして参加。新聞・テレビなど取材多数。国内だけでなく海外からも患者が来院。
- 人物像: 三児の父。趣味はラグビー、ソフトボール、ハイキング、サイクリング、映画・音楽鑑賞、食事会。地域ボランティア活動にも積極的で、災害ボランティアでは全国を駆け巡る。
- モッ トー: 「やり過ぎない」