春の季節は穏やかな陽気の反面、寒暖差やストレスによって体調を崩す方が増える時期でもあります。中でも「春バテによる発熱」は風邪とは違う微熱や倦怠感を伴い、原因がわからず不調が長引くケースも少なくありません。
本記事では、春バテで発熱が起こる理由をはじめ、寒暖差が自律神経に与える影響や、めまい・頭痛などの神経症状、免疫力の低下や胃腸の不調との関連をわかりやすく解説します。また、春バテチェックリストや自律神経を整える方法、栄養・サプリによる内側からのケア、高齢者が受けやすい影響なども網羅しました。
さらに、当院にも春バテによる不調や発熱の相談が増えており、鍼灸による施術が自律神経の安定に高い効果を発揮しています。受診前に知っておきたい予防・対処法を、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 春バテによって発熱が起こるメカニズムと原因
- 自律神経の乱れや寒暖差が体に与える影響
- 発熱以外に現れる春バテの代表的な症状
- 鍼灸を含む具体的な対処法と予防策
春バテで発熱するのはなぜ?原因と対策
- なぜ発熱?寒暖差が与える影響
- 春バテで出やすい症状とは
- めまい・頭痛などの神経症状に注意
- 免疫力低下が発熱を引き起こす理由
- 胃腸の不調も発熱につながることがある
なぜ発熱?寒暖差が与える影響

春先になると、日中は暖かく、朝晩は冷え込むなど、1日の中で大きな寒暖差が発生することがよくあります。この気温の変化が、自律神経に大きな負担をかけてしまうのです。
自律神経とは、体温調節や血圧の調整、内臓の働きなど、生命を維持するためのあらゆる機能を無意識にコントロールしている神経のことです。気温が上下するたびに、体はその変化に適応しようと働き、自律神経が交感神経と副交感神経を切り替えて対応します。
ただし、気温差が激しいと、その切り替えがうまくいかなくなります。体温の調節にエネルギーを多く使いすぎたり、交感神経が過剰に働き続けてしまうことで、体が「ストレス反応」として熱を生み出してしまうのです。
このときの発熱は、ウイルスや細菌による感染症とは異なり、いわば「自律神経の乱れ」による内因的な体温上昇です。37度台の微熱が続いたり、午後になると体が熱っぽく感じるなどの特徴があります。
気温の変動が激しい春は、特にこのような発熱が起こりやすくなります。予防するには、服装で上手に体温を調整し、温度変化に備えることが重要です。例えば、脱ぎ着しやすい羽織物を持ち歩く、寝る前に湯船に浸かって自律神経を整えるといった日常の工夫が効果的です。
また、寒暖差によって疲労が蓄積しやすくなる点にも注意が必要です。体温の上下だけでなく、慢性的な疲れや睡眠の質の低下も重なり、発熱以外の不調も招きやすくなるからです。特に「風邪ではないのに熱が出る」と感じた場合には、自律神経の乱れを疑い、春バテへの対処を考えてみてください。
春バテで出やすい症状とは

春バテの特徴は、ひとことで言えば「さまざまな心身の不調が重なる状態」です。気温差、生活リズムの乱れ、新生活によるストレスなど、複数の要因が重なって自律神経の働きに支障をきたすことで、幅広い症状が現れます。
代表的な身体的な症状としては、「体がだるい」「眠くて仕方がない」「肩こり」「頭痛」「胃腸の不調」などが挙げられます。これらはどれも、自律神経が体の調整機能をうまく果たせていないことが原因と考えられます。
特に、「だるさ」や「眠気」は多くの人が経験しやすい春バテのサインです。睡眠時間は足りているのに疲れが抜けない、日中に何度もあくびが出るなど、明確な原因が思い当たらないのに調子が悪いと感じる人は少なくありません。
一方で、精神的な面でも影響が出やすく、「やる気が出ない」「気分が沈む」「イライラしやすい」といった心の不調も見逃せません。これはストレスが交感神経を過度に刺激し、リラックスを司る副交感神経が十分に働かなくなることで引き起こされます。
胃腸のトラブルも春バテのよくある症状です。食欲不振や下痢、便秘は、自律神経が消化器官の動きを制御できなくなっているサインかもしれません。気温や気圧の変化だけでなく、ストレスや食生活の乱れが関与しているケースも多く見られます。
このように、春バテの症状は「風邪のようで風邪ではない」ものが多く、原因が分かりにくいこともあります。だからこそ、「なんとなく調子が悪い」と感じたら、早めに休息を取り、生活習慣を見直すことが大切です。
めまい・頭痛などの神経症状に注意

春バテが引き起こす症状の中でも、特に注意が必要なのが「めまい」や「頭痛」などの神経系の不調です。これらは日常生活に直接支障をきたしやすく、仕事や学業に大きな影響を与えることもあります。
春は気圧の変動が激しくなる季節です。この気圧の上下が体内にストレスを与え、自律神経を乱れさせてしまいます。特に、気圧が急激に下がるときには、血管が拡張しやすくなり、それが偏頭痛の原因となることがあります。めまいについても、内耳のバランス感覚を司る器官が気圧変化に敏感であるため、ふらつきや立ちくらみが生じやすくなります。
また、こうした神経症状は女性に多く見られる傾向があり、ホルモンバランスとの関係も指摘されています。ストレスや睡眠不足が重なると、ホルモンの分泌に影響し、自律神経と相まって複合的に症状が悪化する場合があります。
注意したいのは、これらの症状が単なる春バテではなく、他の疾患によるものの可能性もあるという点です。特に、めまいや頭痛が日常的に続く、あるいは悪化していく場合は、医療機関での診察を受けることが必要です。
対策としては、まず生活リズムを整え、規則正しい睡眠と栄養を心がけることが基本です。また、急激な気圧変化の日は無理をせず、ゆっくり過ごすことも大切です。日々の小さな積み重ねが、自律神経を安定させ、神経症状の軽減につながります。
さらに、症状が軽いうちであれば、鍼灸や温熱療法などの代替医療も選択肢となります。体の深部を温め、自律神経のバランスを整えることで、薬に頼らず症状を和らげるサポートになることもあります。
免疫力低下が発熱を引き起こす理由

春バテの時期に発熱する背景には、免疫力の低下が関係しています。気温差やストレス、睡眠不足などが積み重なると、体の防御力が落ちてしまい、体内で炎症反応が起こりやすくなります。
免疫とは、本来私たちの体を病原体や異物から守るためのシステムです。普段であれば、外からウイルスや細菌が侵入してきても、それらを退治することで健康を維持できます。しかし、寒暖差が激しい春は、体温調節機能に大きな負担がかかり、自律神経が乱れやすくなります。その影響で免疫細胞の働きも鈍くなり、ちょっとした刺激にも体が過剰に反応してしまうのです。
例えば、体内にウイルスが入ったわけではなくても、軽度の炎症が起こることがあります。これにより体温が上昇し、微熱が続くような状態になることも少なくありません。また、慢性的な疲れやストレスがあると、免疫機能を担う白血球の働きが鈍くなり、炎症を抑える能力が低下してしまいます。
このような状態が続くと、体は「休ませてほしい」というサインとして発熱を起こすことがあります。発熱そのものが病気というよりも、免疫力が落ちている証拠として現れていると捉えることが重要です。
そのため、春先の微熱や体のだるさを感じたら、しっかりと休息をとり、体を回復させることが先決です。あわせて、栄養バランスの良い食事や十分な睡眠を意識し、免疫力の底上げを図る生活を心がけましょう。なお、発熱が長く続く場合や、38度以上の高熱が出た場合は、別の感染症などの可能性もあるため、医療機関の受診を検討してください。
胃腸の不調も発熱につながることがある

春バテによって胃腸の調子が悪くなることは珍しくありません。そして、この胃腸の不調がきっかけとなって発熱を引き起こすケースも存在します。
腸は「第二の脳」とも呼ばれ、自律神経と深く関わっています。食べ物の消化・吸収は、主に副交感神経の働きによってスムーズに行われますが、寒暖差やストレスによって交感神経が優位になると、腸の動きが鈍くなり、胃痛、下痢、便秘などの不調が現れます。
その際、腸内環境が乱れることで、悪玉菌が増加しやすくなります。腸は免疫細胞の6~7割が集中している重要な器官であり、腸内環境の悪化は全身の免疫機能にも影響を及ぼします。腸の不調が続くと、体内で軽度の炎症反応が起きやすくなり、これが微熱や発熱につながることもあるのです。
さらに、胃腸の働きが落ちると栄養の吸収効率も低下します。体に必要なエネルギーが不足し、体温調節や免疫機能にも影響を与えるようになります。すると、身体は無理に働こうとしてエネルギーを燃やし、その過程で熱を発するという状態にも陥ります。
予防するには、胃腸に負担をかけない食生活がカギになります。例えば、冷たい飲み物や脂っこいものを避け、温かくて消化の良いものを選ぶとよいでしょう。また、よく噛んでゆっくり食べることで、副交感神経を活性化させ、胃腸の働きを助けることができます。
このように、胃腸の不調が発熱の背景にある場合、単に「お腹の不具合」と見過ごさず、体のSOSとして受け止める視点が重要です。温める、休ませる、整えるという基本的なケアが、春バテ予防にもつながっていきます。
春バテによる発熱への対処と予防法
- 春バテ チェックリストでセルフ確認
- 自律神経を整える 5 つの 方法
- 高齢者は春バテの影響を受けやすい
- だるい・眠いが続く時の対策とは
- 食べ物・栄養・サプリで内側からケア
- 春バテはいつまで続く?目安と注意点
- 体調を壊しやすい月はいつですか?
春バテ チェックリストでセルフ確認

春バテは気づかないうちに始まり、長く続くことで心身に負担をかけてしまいます。何となく調子が悪いという状態が続いているなら、一度セルフチェックをしてみることをおすすめします。チェックリストを活用すれば、自分の状態が春バテに該当するかどうかを客観的に確認できます。
- 朝、起きても疲れが残っている
- 日中に眠くて集中できない
- 頭痛や肩こりが続いている
- 下痢や便秘など、胃腸の調子が不安定
- 風邪ではないのに微熱や咳が出る
- 気分が落ち込みやすい、イライラしやすい
- やる気が出ない、家事や仕事が手につかない
- 夜になかなか眠れない
- 季節の変化に弱く、気温差に敏感
- 最近、生活リズムが崩れている自覚がある
このうち、3つ以上当てはまる場合は、春バテの可能性があります。特に心身の不調が2週間以上続いている場合には、早めに対策を取ることが望ましいです。
春バテは放置すると、自律神経の乱れが慢性化し、日常生活に悪影響を及ぼすことがあります。セルフチェックは、その兆候に気づくきっかけになりますので、気になる症状がある場合は、生活習慣を見直す第一歩としてご活用ください。
自律神経を整える 5 つの 方法

春バテの主な原因の一つが「自律神経の乱れ」です。これを整えることができれば、体のだるさや気分の不調といった症状の軽減が期待できます。ここでは、自律神経のバランスを保つために日常生活で実践できる5つの方法をご紹介します。
- 朝日を浴びる
朝起きたらカーテンを開けて、日光を5分以上浴びましょう。太陽光は体内時計をリセットし、セロトニン(幸せホルモン)の分泌を促します。これにより、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズになります。 - リズムある運動を取り入れる
ウォーキングやストレッチなどの軽い有酸素運動は、自律神経の働きを助けます。特に、一定のリズムで動く運動は心身にリラックス効果をもたらし、副交感神経を優位にしてくれます。 - ぬるめのお風呂に浸かる
38〜40度程度のぬるめのお湯に10〜15分程度ゆっくり入浴することで、心身がほぐれ、副交感神経が働きやすくなります。シャワーだけで済ませている人は、ぜひ湯船に浸かる習慣を見直してみてください。 - 深い呼吸を意識する
忙しいと呼吸が浅くなり、交感神経が優位になりがちです。ゆっくりと鼻から吸い、口から長く吐く呼吸法は、副交感神経を活性化させる簡単なセルフケアです。1日5分でも意識して取り入れてみましょう。 - 睡眠の質を高める
質の良い睡眠は自律神経を整える基盤です。寝る直前のスマホやテレビは控え、寝室の照明を暗くしてリラックスできる環境を作りましょう。就寝前にハーブティーを飲んだり、アロマを使うのも効果的です。
このように、生活の中で無理なく取り入れられる方法ばかりです。毎日の習慣として続けることで、自律神経が安定し、春バテの症状が和らぎやすくなります。小さな積み重ねが、心身の健やかさを支えてくれます。
高齢者は春バテの影響を受けやすい

高齢者は、春バテによる不調を感じやすい世代です。年齢とともに体温調節や自律神経の働きが弱まるため、寒暖差や気圧の変動に対する適応力が落ちてしまいます。さらに、生活リズムが乱れやすく、日中の活動量や食事量が減ることで、春バテの症状が現れやすくなるのです。
例えば、春先に「なんとなくだるい」「眠れない」「めまいがする」といった体調不良を訴える高齢者は少なくありません。これは単なる加齢現象ではなく、自律神経の乱れが関係している可能性があります。また、胃腸の働きが低下している場合、食欲がなくなり、体力や免疫力が下がることで、さらに症状が悪化するという悪循環に陥りがちです。
高齢者の場合、自分から不調を訴えないことも多いため、家族や周囲の人が変化に気づいてあげることが大切です。「最近やたらと疲れている」「外出を面倒がるようになった」「食事を残すようになった」など、日常の中での小さなサインを見逃さないようにしましょう。
対策としては、まず生活リズムの安定を意識することです。毎日同じ時間に起き、朝日を浴びて軽い運動をするだけでも、自律神経の働きが改善されます。また、温かい食事や水分補給をこまめに行い、室内の温度管理にも気を配りましょう。
必要に応じて、医師や薬剤師のアドバイスを受けながら、ビタミンやミネラルを補う栄養補助食品を取り入れることも有効です。春は穏やかな季節であると同時に、体調が崩れやすい季節でもあります。高齢者こそ、早めに春バテへの備えをしておくことで、安心して毎日を過ごすことができるのです。
だるい・眠いが続く時の対策とは

春の季節になると、「なんとなく体がだるい」「一日中眠気が抜けない」と感じる人が増えてきます。こうした症状は、いわゆる“春バテ”のサインである可能性が高く、自律神経の乱れが背景にあるケースが少なくありません。
特に春は、寒暖差が激しくなることで体温調整にエネルギーを消費しやすくなります。その結果、身体が疲れやすく、日中でも眠気が続く状態になってしまいます。さらに、生活リズムの乱れや環境の変化によるストレスも自律神経を不安定にし、睡眠の質を下げてしまう要因となります。
まず取り入れたい対策として、「生活リズムの見直し」があります。毎朝同じ時間に起きて、カーテンを開けて朝日を浴びる習慣をつけるだけでも、体内時計がリセットされ、自律神経のバランスが整いやすくなります。また、起床後に軽いストレッチや散歩を取り入れることで、交感神経がスムーズに働き出し、日中の活動モードに切り替わりやすくなります。
一方、夜は副交感神経を優位にするための工夫も重要です。スマホやパソコンなどのブルーライトを寝る前に避け、ぬるめのお湯でゆっくり入浴したり、寝室の照明を暗めに整えたりすることで、睡眠の質が向上し、翌朝のだるさを軽減できます。
加えて、カフェインやアルコールの摂取にも注意が必要です。特に午後以降のカフェイン摂取は睡眠の質を妨げることがあり、かえって日中の眠気を助長する可能性があります。
こうした生活習慣の調整に加えて、自律神経を整える呼吸法や軽い瞑想も効果的です。呼吸を深く、ゆっくりと意識するだけでも、心身の緊張が和らぎ、自然と眠気やだるさが緩和されることがあります。
日常的なだるさや眠気が2週間以上続くようであれば、ただの春バテではない可能性もあるため、医療機関での相談を検討することも視野に入れておきましょう。
食べ物・栄養・サプリで内側からケア

春バテによる体調不良は、外からのケアだけでなく、内側からのサポートも欠かせません。食べ物や栄養、そして必要に応じてサプリメントを活用することで、自律神経の乱れを整え、疲れやだるさの改善に役立てることができます。
まず、春バテ対策において重要な栄養素が「ビタミンB群」です。特にビタミンB1は糖質の代謝を助け、エネルギー産生に関わるため、疲労回復に効果的です。豚肉、納豆、玄米、豆類などに多く含まれており、毎日の食事に取り入れることで、慢性的な疲れを感じにくくなります。
さらに、ストレスや不安感が強いときには「マグネシウム」も意識したい栄養素の一つです。マグネシウムは神経の興奮を抑え、心身をリラックスさせる作用があります。海藻類、ナッツ類、バナナなどに含まれており、副交感神経を優位にするためのサポートとなります。
加えて、「トリプトファン」も注目すべきアミノ酸です。これはセロトニン(幸福ホルモン)の原料となる成分で、気分の安定や質の良い睡眠に関係しています。トリプトファンは、卵、大豆製品、乳製品、バナナなどから摂取することができます。
もし食事からの摂取が難しいと感じる場合は、サプリメントの活用も選択肢となります。ただし、サプリはあくまで補助的な役割であるため、基本はバランスのとれた食生活を心がけることが前提です。
また、胃腸が弱っていると栄養をうまく吸収できず、せっかく摂った栄養が十分に活かされません。そのため、冷たいものや脂っこい食事を避け、消化の良い温かい食事を中心に整えていくことも重要です。
春は新しい環境に慣れるために、体も心もエネルギーを多く使います。だからこそ、栄養の力で内側から体を支える意識を持つことが、春バテを乗り越えるための第一歩となります。
春バテはいつまで続く?目安と注意点

春バテは、はっきりとした病名があるわけではなく、季節の変化に体が順応できないことで起こる一連の体調不良を指す言葉です。そのため、「いつまで続くのか」という明確な終わりがあるわけではありませんが、一般的には3月から5月の間に症状が出やすい傾向があります。
多くの場合、春バテの症状は数日から数週間で改善していくことが多いですが、生活習慣や体質によっては5月中旬以降までだらだらと不調が続く人もいます。これは、寒暖差が続くだけでなく、新生活や新年度といった心理的なストレス要因が重なるため、身体の回復に時間がかかるからです。
ここで注意したいのは、春バテの症状が慢性化してしまうことです。だるさや眠気、気分の落ち込みが1か月以上続く場合、春バテではなく「自律神経失調症」や「季節性うつ病」など、別の疾患に移行している可能性も考えられます。そのようなときは、無理をせず、早めに専門機関に相談することが望ましいです。
また、5月は「五月病」とも言われる時期であり、春バテの延長線上で心身に大きな疲れがたまりやすい月です。特に新入社員や進学・進級した学生など、環境の変化が大きかった人ほど影響を受けやすくなります。
このように、春バテがいつまで続くかは個人差がありますが、ひとつの目安として「ゴールデンウィーク明けまでに回復しているか」を観察してみてください。それ以降も不調が続くようであれば、単なる春バテではない可能性も含めて、体の声に耳を傾ける必要があります。
さらに詳しい春バテ対策については、以下の専門機関の解説も参考になります。
→ アリナミン製薬|春バテの原因と対策を解説
春の不調が長引く場合は、医療機関や専門サイトの情報も参考にしてください。
→ 山梨県厚生連|春の体調不良の原因と予防策
体調を壊しやすい月はいつですか?

季節の変わり目は体調を崩しやすい時期として知られていますが、特に体に負担がかかりやすい月は3月、4月、6月、9月、11月といった「気温や気圧が大きく変動する月」です。
まず3月から4月にかけては、冬から春への移り変わりの中で、寒暖差が最も大きくなります。日中と朝晩の気温差が10度以上ある日も珍しくなく、体温調節にエネルギーを消耗しやすい時期です。このとき、自律神経がフル稼働することで疲労が蓄積しやすくなり、だるさ、眠気、食欲不振、微熱といった春バテの症状が出やすくなります。
また、6月は梅雨による気圧の不安定さが加わり、「天気痛」や「気象病」と呼ばれる症状に悩まされる人が増えます。頭痛やめまい、倦怠感など、体調がすぐれない日が多くなる傾向があります。
9月から11月は、夏の疲れが出やすい時期でありながら、急に気温が下がることで秋バテが起こることがあります。特に朝晩の冷え込みが進むこの時期は、体の防御反応がうまく働かず、風邪をひきやすくなります。
体調を壊しやすい月を乗り切るには、あらかじめ「不調が出やすいタイミング」を意識し、生活リズムの乱れを防ぐことが大切です。特に季節の変わり目には、無理をしない・睡眠を確保する・バランスの取れた食事を心がけるといった基本的なセルフケアが、予防の第一歩になります。
さらに、服装の調節やエアコンの使い方を工夫することで、寒暖差の影響を和らげることも可能です。小さな意識の積み重ねが、季節の変わり目の体調管理に大きく役立ちます。
春バテによる発熱の原因と対策を整理する
- 春は寒暖差によって自律神経が乱れやすい
- 自律神経の乱れが体温調整を妨げ発熱につながる
- 春バテによる発熱はストレス反応の一種である
- 微熱が続く場合は感染症以外の可能性も疑うべき
- 気圧の変化が神経症状を引き起こす一因となる
- めまいや頭痛は自律神経の不調と深く関係している
- 睡眠不足や生活リズムの乱れが発熱を招くことがある
- 胃腸の不調が免疫低下と発熱を引き起こす場合がある
- 腸内環境の悪化は全身の免疫力にも影響する
- 発熱を伴う春バテはだるさや眠気を伴いやすい
- セルフチェックで春バテの兆候を早期に把握できる
- 高齢者は春バテの影響を受けやすく症状が出やすい
- 自律神経を整えるには朝日・運動・入浴が有効
- 食事やサプリで栄養を補い内側からのケアが大切
- 春バテは3月~5月に多く、放置で慢性化するリスクがある