倦怠感が続く原因とは?だるい症状の正体と隠れた病気・対処法を解説
最近、「なんだか体がだるい」「疲れが取れない」と感じていませんか?それは単なる疲労ではなく、心や身体、生活習慣からくる倦怠感かもしれません。放っておくと日常生活に支障が出たり、思わぬ病気が隠れていることもあります。
この記事では、倦怠感の症状原因、考えられる疾患との関連、そして具体的な対処法や回復のヒントまでを、やさしく丁寧に解説しています。
こんなお悩みありませんか?
- 1,何をするにも体がだるく、まるで重いおもりを背負っているように感じる
- 2,十分な睡眠をとっても、朝からぐったりしていて、一日中疲れが抜けない
- 3,「以前は楽しめていた趣味や活動に、全く意欲がわかず、ただ時間が過ぎるのを待っている
- 4,市販の薬や湿布、痛み止めを試しても、この全身の倦怠感は一向に良くならない
- 5,このだるさのせいで、日常生活や仕事に支障が出て困っている。一体何が原因なんだろう?
- 6,手術を勧められたけれど、できれば他に改善する方法はないか探している
- 7,この倦怠感のせいで、集中力が続かず、物事を考えるのが億劫になり、仕事や家事が思うように進まない
- 8,もしかして、このだるさは精神的な問題からきているのだろうか?でも、一体何科を受診すれば良いかわからない
- 9,夕方になると特に体が鉛のように重くなり、家事をするのがやっと。一日を通してエネルギーが持たない
- 10,この慢性的な倦怠感は、もしかしたら深刻な病気のサインなのではないかと不安に感じている
倦怠感とは

倦怠感とは、体がだるく重く感じたり、疲れやすくなったりする状態です。単なる体力的な疲れだけでなく、やる気が出ない、体に力が入らないといった症状も含みます。
一時的なものから何ヶ月も続く慢性的なものまであり、忙しい日々の後の疲労感は休むことで回復しますが、休んでも良くならない場合は病気のサインかもしれません。
原因は睡眠不足や過労、ストレス、不適切な食生活などの生活習慣から、感染症、うつ病、貧血、糖尿病など様々な病気まで多岐にわたります。薬の副作用でも起こることがあります。
「体が重い」「頭がぼーっとする」「何もする気が起きない」など、感じ方には個人差があります。日常生活に支障をきたすほどの強い倦怠感や長く続く場合は、医療機関を受診しましょう。
適切な休養、バランスの良い食事、適度な運動、ストレス管理で改善することも多いですが、原因によっては専門的な治療が必要です。体調の変化に敏感になり、無理をせず、体からのサインを大切にしましょう。
倦怠感の原因は何でしょう?
倦怠感の原因 は多岐にわたり、身体的なもの、精神的なもの、生活習慣によるものなど、複合的に関わっていることが多いです。
身体的な理由
1,過労や過度な運動
2,睡眠不足
睡眠中には心身の疲労を回復させるためのメンテナンスが行われますが、睡眠不足はその機能を低下させ、倦怠感を引き起こします
3,栄養不足・不良(ビタミン、ミネラル不足など)
特にビタミンB群はエネルギー産生に関わるため、症状改善に働きます。不足すると倦怠感が生じやすくなります。鉄分不足による貧血も原因となります。栄養バランスを考えて摂取しましょう。
4,脱水
体内の代謝活動が低下し、疲れやすくなります。
5,慢性的な健康問題
糖尿病、心臓病、肺疾患、腎臓病、甲状腺機能異常など。これらの病気は体に負担をかけ、倦怠感の原因となり得ます。
6,感染症や炎症性疾患
風邪、インフルエンザ、肝炎など。体がウイルスなどと闘うためにエネルギーを消費し、倦怠感が生じます。
7,運動不足
筋肉の衰えや体力低下を招き、疲れやすい体質になることがあります。
8,ホルモンバランスの乱れ
更年期障害、甲状腺機能異常などからも倦怠感を感じることがあります。
精神的な理由
ストレス
人間関係、仕事のプレッシャー、環境の変化などがストレスとなり、自律神経の乱れを引き起こし、発症させることがあります。
抑うつや不安
うつ病では特に強い倦怠感を伴うことが多く、気持ちの落ち込みや興味の喪失と同時に現れることがあります。
過労
精神的、肉体的な疲労も倦怠感を引き起こす要因となります。
生活習慣が理由
不規則な生活リズム
特に睡眠や食事のパターンが乱れると、体内時計が狂い、倦怠感の原因となることがあります。
アルコールやカフェインの過剰摂取
睡眠の質を悪化させ、倦怠感を引き起こすことがあります。
喫煙
血液の循環を低下させ、倦怠感を引き起こすことがあります。
日本における倦怠感患者数
厚生労働省の調査によると、日本人成人の約45%が6ヶ月以上にわたるか繰り返される慢性的な疲労を感じており、そのうち慢性疲労症候群(ME/CFS)の患者数は約10万~30万人と推定されています。
対処法は?
日常生活の見直し

1,質の高い睡眠 を確保する
一定の就寝時間を設定し、快適な睡眠環境を整えることが重要です。
2,十分な水分摂取、栄養補給を心がける
3,定期的な適度な運動 を行う
全身の血行を促進し、心身の疲労回復を促します。
4,ストレスを管理する
リラックスする時間や趣味に没頭する時間を持つことが大切です。
5,規則正しい生活 を送る
特に朝が大事!
朝は決まった時間に起き、朝日を浴びることで体内時計が整います。
6,十分な休息 をとる
疲れを感じたら無理せず休息することが大切です。

放っておくとどうなる?
放っておくと、その原因によっては様々な問題が生じる可能性があります。体からの大切な警告サインであり、軽視すべきではありません。
特に休んでも良くならない状態が続く場合は、重大な病気が隠れていることがあるため、注意が必要です。
また、一時的な倦怠感は休養で回復することが多いですが、過労やストレスが積み重なると慢性疲労に発展する恐れがあります。さらに、6ヶ月以上続く場合は、慢性疲労症候群という別の病気の可能性も考えられます。
精神的なストレスがきっかけになると、うつ病や不安障害などの精神疾患につながることもあります。また、症状が続くと体に力が入らず、やる気が起きなくなり、日常生活や仕事に支障をきたすことがあります。
糖尿病や心臓病、腎臓病、甲状腺機能異常などの慢性的な健康問題が原因となっている場合、放置することでこれらの基礎疾患が悪化する可能性があります。
新型コロナウイルス感染症後に現れる場合もあり、無理に動くと症状が悪化して動けなくなることがあるため、適切な休養をとらずに放置すると症状が長引く恐れがあります。
がんやがん治療による場合、進行すると「悪液質」と呼ばれる状態になり、症状がさらに強くなることがあります。終末期の悪液質による倦怠感は改善が難しいこともあります。
睡眠時無呼吸症候群の場合、放置すると高血圧や糖尿病、心臓病、脳卒中のリスクが高まります。また、鉄分不足による貧血によるものなら、放置するとめまいや頭痛、息切れ、味覚障害などの症状が悪化する可能性があります。
このように、放置することで病気の発見や治療が遅れたり、症状が慢性化・悪化したり、生活の質が低下したりするなど、様々なリスクがあります。そのため、倦怠感が長引く場合や、他の気になる症状がある場合は、自己判断せずに早めに医療機関を受診し、相談することが大切です。
改善すれば?

倦怠感が改善すると、あなたの日常生活にはさまざまな良い変化が訪れます。まず何より、日常生活の質が大きく向上します。体に力が入り、やる気が湧いてくるので、家事や仕事などの日々の活動をより快適に行えるようになります。倦怠感のために避けていた活動も、再び楽しめるようになるでしょう。
また、精神的な健康も改善します。もし精神的なストレスによるもの場合、そのストレスが軽減されることで、うつ病や不安障害などの精神疾患への進行を防ぐことができます。気分が晴れやかになり、より前向きで意欲的に過ごせるようになります。
睡眠の質も良くなります。睡眠不足は深く関係しています。生活習慣を見直して質の高い睡眠を確保することで、倦怠感が軽くなり、日中の集中力や注意力の低下、イライラなどの問題も改善されます。適度な運動を取り入れることで、夜の睡眠がさらに良くなり、改善に効果があります。
倦怠感の原因が病気にある場合、その病気を適切に治療することで軽減されます。たとえば、貧血が改善されれば、それに伴う倦怠感やめまい、頭痛などの症状も和らぎます。
仕事や学習の効率も上がります。倦怠感がなくなると集中力や注意力が高まるため、仕事や勉強がはかどるようになります。何をするにも頭がすっきりして、効率よく取り組めるでしょう。
自己肯定感も向上します。慢性的な倦怠感から解放されると、積極的に活動できるようになり、「何もできない自分」と自分を責めることなく、活動できる喜びを感じられるようになります。これは自信につながり、さらに前向きな気持ちを生み出します。
さらに、倦怠感の改善に取り組む過程で、規則正しい生活リズム、バランスの良い食事、適度な運動といった健康的な生活習慣を確立できます。これは倦怠感の再発を防ぐだけでなく、全体的な健康増進にもつながります。
このように、倦怠感を改善することで、様々なリスクを回避し、より健康的で活動的な毎日を送ることができるようになります。体と心が軽くなり、毎日をもっと充実して過ごせるようになるでしょう。
当院でよく質問される「倦怠感に関するFAQ」
- 全身倦怠感はどんな病気に関連しますか?
-
全身倦怠感は、さまざまな病気や状態によって放置される可能性があります。以下に主な原因を挙げます。
感染症
- 風邪やインフルエンザ:発熱や炎症とともに全身の疲労感が現れます。
- ウイルス性肝炎:急性肝炎では全身倦怠感、黄疸、尿の褐色などが見られることがあります。
- 結核:微熱、寝汗、体重減少とともに倦怠感が出ることがあります。
慢性疾患
- 糖尿病:血糖値のコントロール不良により疲労感や多尿などの症状が現れます。
- 甲状腺機能低下症:代謝低下による疲労感、寒がり、体重増加などの特徴です。
- 腎疾患:腎不全では尿毒症や貧血により倦怠感が強くなります。
血液疾患
- 貧血:特に鉄欠乏性貧血では酸素不足から疲労感や立ちくらみが生じます。
- 白血病や悪性リンパ腫:これらの疾患の初期症状として倦怠感が現れる場合があります。
循環器疾患
- 心不全:心臓のポンプ機能低下により全身への酸素供給が不足し、疲れやすくなります。
- 低血圧症:特に朝起きた際の倦怠感が特徴です1。
神経・筋疾患
精神疾患
その他
- 慢性疲労症候群 (CFS):原因不明で、6ヶ月以上続く強い疲労感が特徴です。
- 睡眠時無呼吸症候群:睡眠不足による日中の倦怠感が見られます。
- 栄養障害:ビタミンB群不足や栄養失調でも倦怠感が生じます。
全身倦怠感は非常に多くの疾患で見られるため、長引く場合は医療機関での診察を受けることを推奨します。
- だるさ(倦怠感)に加えて頭痛や吐き気などの症状を伴う場合に考えられる疾患はどんなものがありますか?
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1. 熱中症
- 暑い環境で長時間過ごすことで、体温調節ができなくなる、倦怠感、頭痛が現れることがあります。
- 脱水や電解質の不足が原因となるため、水分・塩分補給が重要です。
2. 緊張型頭痛
- 長時間のデスクワークやスマホ使用による首や肩の筋肉の緊張が原因で、倦怠感とともに頭痛や吐き気を感じることがあります。
3. 片頭痛
- 脈打つようなズキズキした痛みが特徴で、吐き気や光・音への敏感さを伴うことがあります。疲労やストレスが引き金になることが多いです。
4. 気象病(低気圧異常)
- 気圧変化による自律神経の乱れで、倦怠感、頭痛、吐き気、めまいなどが起こります。特に雨の日や台風時に症状が悪化する傾向があります。
5. 脳卒中(くも膜下出血・脳出血)
- 突然の頭痛激しいと吐き気、意識障害、一時麻痺などを伴う場合は脳卒中の可能性があります。命に関わるため、速やかな医療対応が必要です。
6. 感染症
- インフルエンザや胃腸炎などでは、発熱とともに倦怠感、頭痛、吐き気が見られることがあります。
7. 脳腫瘍
- 頭痛が続く場合や体調不良になる場合は脳腫瘍の可能性も考えられます。吐き気や意識障害を伴うこともあります。
これらの症状は軽度から重度まで幅広い原因があるため、症状が続いたり悪化した場合は医療機関での診察を受けることを推奨します。
- 適切な栄養補給でだるさ(倦怠感)の予防ができますか?
-
栄養補給は倦怠感のや予防改善に役立ちます。特に以下の栄養素が重要です。
倦怠感の予防・改善に役立つ栄養素
- ビタミンB群
- 糖質や脂質、タンパク質をエネルギーに変換するために必要。
- ビタミンB1(豚肉、うなぎ)、B2(レバー、納豆)、B6(マグロ、カツオ)など疲労回復に効果のある。
- 鉄分
- 酸素を全身に運ぶ赤血球の生成に関与します。不足すると貧血や倦怠感を考えます。
- レバー、ほうれん草、貝類などが豊富。
- たんぱく質
- 筋肉の修復や免疫細胞の生成を助けます。
- 肉類、魚、大豆製品、卵、乳製品などから摂取可能。
- クエン酸
- 疲労物質である乳酸を分解し、エネルギー代謝を促進します。
- レモン、梅干し、酢などに含まれる。
- ビタミンC
- 抗酸化作用で疲労の原因となる活性酸素を中心に。
- 柑橘類(レモン、オレンジ)、ウイキフルーツなど 有効。
- コエンザイムQ10
- 細胞内でエネルギーを生産する働きを助ける。
- 肉類、魚介類、ナッツ類などに含まれる6。
- アミノ酸(ヒスチジン、イミダゾールジペプチドなど)
- 疲労感軽減や頭の働きをサポート。
- 鶏肉やカツオなどから摂取可能。
具体的な対策
- バランスの良い食事
- 主食(糖質)、主菜(たんぱく質)、副菜(ビタミン・ミネラル)を整えた食事を心がける。
- 栄養ドリンクやサプリメントの活用
- 忙しい場合や栄養不足が想像される場合は、ビタミンB群や鉄分を含むサプリメントや指定医薬部外品の栄養ドリンクで補うことも有効です。
- 疲労回復レシピの活用
- レバー料理や豚肉を使ったメニュー(例:レバニラ炒め、豚肉ソテー)などおすすめ。
正しい栄養補給は倦怠感だけでなく全身の健康維持にも役立つように、日々の食生活を意識的に取り入れることが重要です。
- ビタミンB群
- 女性が疲れを感じやすい病気は、何かありますか?
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女性が疲れやすい病気には、以下のような疾患が考えられます。
1. 貧血
- 鉄欠乏性貧血が特に多く、月経や子宮筋腫などによる鉄分不足が原因となります。
- 疲労感、めまい、日常、顔色の悪さなどの症状が現れます。
2. 甲状腺疾患
- バセドウ病(甲状腺機能亢進症):新陳代謝が過剰になり、疲労感や適度、体重減少が見られる。
- 橋本病(甲状腺機能低下症)代謝が低下し、倦怠感、寒がり、体重増加などを気にします。
3. 更年期障害
- 女性ホルモン(エストロゲン)の減少に伴い、自律神経の乱れや血行不良が原因で疲労感を感じやすくなります。
- 「疲れが取れない」「体がだるい」のような症状が特徴で、更年期障害での治療が推奨されます。
4. 慢性疲労症候群
- 原因不明で、6ヶ月以上続く強い疲労感を伴う病気。
- 日常生活に耐えられるほどの疲労感や集中力の低下が特徴です。
5. 副腎疲労
- ストレスによる副腎機能の低下で抗ストレスホルモン(コルチゾール)が不足し、倦怠感や疲労感を大切にします。
6. 精神的疾患
- うつ病や軽いうつ状態では、心身のエネルギー不足から疲れやすさを感じます。
- 自律神経失調も関与している場合があります7。
これらの疾患は適切な診断と治療によって改善する可能性があります。疲れやすさが続く場合は医療機関で検査を受けることを推奨します。